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第35話 「欲望の街の影」

燃える車ーー



誰かの悲鳴が響く。



銃声。



そして——笑い声。



怒号と銃声が夜の街に響くーー



街はーー

完全に混乱していた。



人々は金を奪い合い、

互いに(ののし)り合っている。



リントたちはビル街の間を走っていた。



キリカが周囲を見渡す。

「……ひどいわね」


「塔ひとつでここまで変わる?」



コトハは静かに答える。

「人の欲を……増幅してる」


「元からある感情を強くする」



リントが前を見たまま言う。

「つまり…」


「みんな元から欲張りってことだろ!」



キリカが(あき)れた目を向ける。

「あんたねぇ…言い方ってものがあるでしょ」



リントは笑った。

「何だよ?事実だろ?」



その時…銃声が響いた。



パンッ!!



三人の目の前で男が倒れるーー

逃げる群衆。


そして金の入ったバッグを抱えて走る別の男。



キリカが眉をひそめる。

「……最悪」



コトハが小さく言う。

「まだ広がる」


「このままだと街全体が……」



その瞬間だった!!



上から声が落ちてきた。

「……相変わらずだ」



三人が同時に上を見る。



ビルの屋上ーー

そこに立っていた男ーー

長い銀色の髪ーー

静かな目ーー



キリカが目を細める。

「……ん?」


「あんた、あの時の!」    


「放牧のアビス!!」



コトハ。

「キリちゃん…放逐(ほうちく)のアビス…」



キリカが言いきる!

「似たようなもんでしょ!」



男はゆっくり飛び降りるーー


トンーー


静かな着地。



リントが笑う。

「えーと…確か…ルディ!だったか?」



ルディは軽く(うなず)いた。

「……リント」


少しだけ視線を動かす。

キリカ。

コトハ。

「……二人も一緒」



キリカ。

「何よその言い方」


「いちゃ悪い!?」



ルディは少し考える。

「……いや」


「面倒そう…思っただけ…」



キリカが眉を上げる。

「はぁ?…ケンカ売ってんの?」



コトハが小さく笑った。



リントが言う。

「で?」


「何してんだよこんな街で」



ルディは塔を見るーー



金色の光。

マモン・ピラー。

「……様子…見に来た」


「嫌な感じ…」


「……腐ってる」


「この街もう…止まらない……」



コトハが小さく(うなず)く。

「私も」



ルディはコトハを見る。

「……未来視」


「どうだ…」



コトハの表情が曇る。

「悪い未来しかない」


「街が……壊れる」



ルディは小さく息を吐く。

「……やはり」



その時だった!!



ゴゴゴ……



地面が震えるーー


四人が同時に塔を見る。



マモン・ピラーの

金色の光が強くなるーー

空気が(ゆが)むーー



キリカが剣に手をかける。

「……来るわね」



コトハの未来視が走る。

そして言う。

「守護者!」



空の上。

巨大な影が現れた。


ゆっくりと降りてくる。



ズドォォォン!!



地面が揺れるーー

煙が晴れるーー



そこに立っていたのは

黄金の鎧をまとった巨人!



背中には巨大な輪。

赤い目。

低い声が響く。

「欲望ーー」


過剰(かじょう)ーー」


充満(じゅうまん)ーー」



守護者の視線がリントへ向くーー

「覚醒因子」


「発見!」



リントが拳を握る。

「やれやれ…またかよ」



キリカがため息をつく。

「ほんとモテるわね」



ルディがぼそっと言う。

「……厄介(やっかい)だ」



守護者の声が響く。

「排除」ーー



黄金の光が街を包む。


欲望の塔の守護者が


ゆっくりと腕を上げた……

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


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