第31話 「解析不能」
地面に転がった守護者が
ゆっくり起き上がるーー
背中の黒い輪が高速で回転していた。
キリカが眉をひそめる。
「まだ立つの?」
守護者の赤い目が三人を捉える。
「侵入者」
低い声。
「危険度…」
リントを見る。
「最大!」
リントが肩を回す。
「光栄だな」
軽く笑う。
「キリ」
キリカがちらっと見る。
「何よ」
リント
「次の攻撃来る前に」
守護者を見る。
「一気に叩く!」
キリカは口元を歪めた。
「最初からそのつもりよ!」
コトハが静かに目を閉じる。
未来視。
無数の未来が流れる。
黒い光ーー
倒れる未来ーー
失敗ーー
その中で一つだけ――
勝てる未来!
コトハが目を開く。
「リント」
リント
「コト」
コトハ
「四秒」
リント
「了解!」
守護者が腕を上げる。
黒い輪が光るーー
空気が震えるーー
キリカが動いた。
守護者へ突っ込む。
「こっちよ!」
守護者が腕を向けるーー
黒い光。
キリカが横へ飛ぶ。
地面が一直線に裂ける。
キリカはそのまま懐へ潜り込むーー-
剣を振る。
ガキンッ!!
守護者の足へ衝撃。
守護者の体が揺れる。
キリカが叫ぶ。
「今!!」
コトハ
「三!」
リントが走る。
一直線。
守護者が腕を向ける。
黒い輪が回る。
コトハ
「二!」
黒い光が放たれる。
リントが避ける。
その動きはさっきより速かったーー
光の軌道を読むように動く。
キリカが目を見開く。
「……何あれ」
コトハ
「リント…」
「一!」
リントが跳躍。
守護者の体を駆け上がる。
紋章が光る--
守護者の目が揺れる。
「……覚醒」
リントが不敵に笑う。
「まだ途中だ!」
守護者が腕を上げーー
黒い輪が三つに増える。
キリカ
「はぁ!?」
「それ反則でしょ…」
コトハ
「来る!」
黒い光が一斉に放たれる。
だが――
リントの目が光った!
光の軌道ーー
全てが見えていたーー
リントが空中で体を捻る。
一つ避けるー-
二つ避けるーー
三つ避けるーー
キリカ
「嘘でしょ」
守護者の目が大きく揺れたーー-
「解析…不能」
リントが守護者の顔の前に出る。
拳を振りかぶるーー
紋章の光が腕に集まっていく。
リントが言う。
「終わりだ!」
そして
拳を叩き込んだ。
ドォォォォン!!
衝撃音が夜に響くーー
守護者の体が吹き飛び地面に叩きつけられる。
ズドォォン!!
静寂…
守護者の体は動かない。
背中の黒い輪が
一つずつ消えていく。
キリカが小さく息を吐く。
「……やっと終わった」
「…毎度のことながらキツいわ…」
コトハも力を抜く。
「うん…」
リントが着地する。
肩で息をしている。
守護者の目の光が消える---。
最後に声が漏れた。
「……覚醒…因…子」
リントを見る。
「確…認…」
守護者の体が崩れ始めーーー
黒い粒子になって消えていくーー
ふとキリカが空を見上げる。
さっきまであった、
空の裂け目はもう消えていた。
しばし戦いの余韻とーー
少しの休息をとるかのようにーー
三人は誰もすぐには動けず…
しばらくその場に立ち尽くしていた。
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