第30話 「裂け目から来る者」
煙の中から現れた影。
細い体--
長く垂れた腕ーー
背中には黒い輪が浮かんでいる。
先ほどの守護者とは
明らかに違う姿だった。
キリカが剣を構える。
「……さっきのより」
「気味悪いわね…」
守護者がゆっくり顔を上げる。
赤い目。
三人を順番に見た。
「排除失敗確認--」
低い声。
「任務引き継ぎーー」
リントが肩を回す。
「はいはい…」
苦笑する。
「仕事熱心だな」
守護者の背後。
空の裂け目がゆっくり閉じていく……
ふいに守護者が腕を上げた。
その瞬間!
黒い輪が回転する。
空気が震える。
コトハの未来視が走る。
そして叫ぶ。
「横!!」
リントとキリカが飛ぶ。
次の瞬間ーー
ビィィィン!!
黒い光が一直線に走った。
地面が一直線に抉れる!!!
キリカ
「……は?」
リントが目を見開く。
「遠距離か」
守護者の腕が再び上がる。
黒い輪が回る。
コトハが叫ぶ。
「また来る!」
今度は三本。
ビィィン!!
黒い光が三方向へ走る。
リントが避ける。
キリカが転がる。
地面が次々と裂けていく。
リントが笑いながら守護者を見る。
「さっきのより…」
「面倒だな」
守護者が静かに言う。
「侵入者ーー」
腕を向ける。
「排除!」
黒い輪がさらに速く回転する。
空気が震えるーー-
コトハの未来視が走る。
だが…
コトハの顔が歪む。
「……速い」
未来が見えない。
リント
「マジか?」
キリカが歯を食いしばる。
「だったら!」
守護者へ走る。
「近づけばいい!」
守護者が腕を振るーー
黒い光。
キリカが剣で弾く。
ガキンッ!!
衝撃で吹き飛ばされる。
キリカ
「くっ…!」
リントが走る。
「キリ!」
守護者が腕を向けた瞬間ーー
黒い輪が光る。
コトハが叫ぶ。
「リント!」
「左!」
リントが滑り込むように避ける。
黒い光がギリギリのとこで背後を通り過ぎたーー
リントが守護者の目の前に出た。
拳を振るう。
ドン!!
守護者の体が揺れる。
だが倒れない。
守護者の目が光る。
「危険度…」
リントを見る。
「上昇」
守護者の背中の黒い輪が
二つに増えた!
キリカ
「はぁ!?」
コトハ
「能力…進化してる」
守護者が両腕を上げる。
二つの輪が高速回転。
空間が歪むーー
リントが呟く。
「ちょっと待て」
「それ反則だろ」
黒い光が
雨のように降り注ぐ!!
ビィィィィン!!!
地面が砕ける。
瓦礫が飛ぶ。
キリカが叫ぶ。
「避けきれない!」
その瞬間…
リントの紋章が光った。
強い光。
時間が歪む…
一瞬だけ遅くなる。
リントの目が変わる。
黒い光の軌道が
全部見えた!
リントが小さく呟く。
「……見える」
一歩。
二歩。
三歩。
光をすり抜ける。
キリカ
「え?」
コトハ
「……リント?」
リントが笑う。
「コト」
守護者を見る。
「次いつ来る?」
コトハが未来を見る。
そして驚く。
「……五秒後」
リント
「十分だ」
地面を蹴り守護者へ一直線!
守護者が腕を向ける。
だがリントは止まらない。
光を避けながらーー
守護者へ迫る。
守護者の目が揺れる。
「……覚醒」
リントが笑う。
「まだだよ」
拳を振りかぶる。
キリカが叫ぶ。
「リント!」
コトハ
「今!」
リントが拳を叩き込む。
ドォォォン!!
守護者の体が大きく吹き飛び地面を転がる。
静寂ーー
守護者がゆっくり起き上がる。
だが…かなり動きが鈍い。
キリカが笑う。
「効いてる!」
コトハも言う。
「いける!」
リントが拳を構える。
「よし」
三人が守護者を見るーー
「終わらせる!!」
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