第29話 「三人の共鳴」
空に浮かぶ--
巨大な黒い剣---
まるで夜空そのものが落ちてくるような圧力だった……
キリカが歯を食いしばる。
コトハが震える声で言う。
「……あれ」
「直撃したら…」
言葉が止まる。
リントは空を見上げそして笑った。
「派手だな」
拳を握る手の紋章が強く光るーー
守護者の声が響く。
「最終排除!」
巨大な黒い剣が
ゆっくりと落ち始めた。
キリカが叫ぶ。
「リント!!」
だがリントは逃げない。
むしろ前に出た。
「キリ!」
突然叫ぶ。
キリカ
「はぁ!?」
リント
「足止めできるか!?」
キリカの顔が引き締まる。
「……誰に言ってんのよ」
剣を構える。
「やってやるわ!」
地面を蹴り守護者へ一直線。
守護者が腕を振るい巨大な拳が落ちてくる。
キリカが回避しながら懐へ滑り込む。
「はぁっ!」
剣が守護者の足へ叩き込まれる。
ガシィッ!!
守護者が僅かに体勢を崩す。
キリカが叫ぶ。
「今よ!!」
リント
「コト!」
コトハが目を閉じる…
未来視。
無数の未来が流れる。
攻撃--
失敗--
死亡--
別の未来--
成功!
コトハが叫ぶ。
「三秒後!」
リント
「了解!」
空が割れそうな音を響かせながら
巨大な黒い剣が落ちてくる。
コトハ
「三!」
リントが走る--
守護者へ。
コトハ
「二!」
キリカが守護者の攻撃を引きつける。
「こっちよ!」
守護者が腕を振り上げる。
コトハ
「一!」
リントが跳躍ーー
守護者の体を駆け上がる。
紋章が眩しく光る!!
守護者が気づく。
「危険!!」
リントが笑う。
「遅ぇよ!!」
紋章の光を腕に一点集束させ
拳を振りかぶる。
そして――
「これで終わりだ!」
守護者の顔面へ
拳を叩き込む!!
ドォォォォン!!
衝撃。
守護者の頭が大きく揺れる。
同時に
空の巨大な剣が
守護者へと直撃した……
ズドォォォォン!!
爆発。
黒いエネルギーが弾ける。
キリカが目を覆う。
コトハが叫ぶ。
「リント!」
煙が広がる。
しばらくして――
巨大な影が崩れた。
ドォォォン……
守護者の体が
ゆっくり地面へ倒れる。
キリカ
「……倒した?」
煙の中から
咳が聞こえる。
「げほっ…」
リントが歩いて出てきた。
ボロボロ…
だが笑っている。
キリカ
「……バカ」
安心した顔で言う。
「生きてるじゃない」
コトハも駆け寄る。
「大丈夫?」
リントが肩を回す。
「なんとかな」
守護者の体を見る。
巨大な体は完全に動かない。
守護者の目の光が消えかけていた。
最後に小さく声が漏れる…
「……覚醒」
そして…完全に停止した。
三人の間に静寂が落ちる。
キリカが大きく息を吐く。
「はぁぁ……」
リントが笑う。
「勝ったな!」
その時だった!
背後の黒い塔が
ゆっくり動いた。
ゴゴゴ……
巨大な扉が開き始める。
キリカ
「……え?」
コトハ
「塔が…」
暗い入口が姿を現す。
まるで三人を誘うように。
だが――その瞬間。
空が裂けた。
ビリィッ!!
夜空に走る黒い亀裂。
三人が同時に空を見上げる。
裂け目の奥で
黒い渦が回っている。
コトハの未来視が走る。
そして…
震える声で言う。
「……また来る」
裂け目から
何かが落ちてきた。
ズドォォォォン!!
地面が揺れるーー
煙の中新たな影が立ち上がる。
キリカが呟く。
「……嘘でしょ」
コトハ
「守護者…」
リントが苦笑する。
「休ませてくれないらしいな」
影がゆっくり顔を上げる。
低い声が響く。
「排除…失敗確認--」
その目が三人を捉える。
「任務引き継ぎ--」
「我はーー嫉妬のアビス」
リントが拳を鳴らす。
「いいぜ」
笑う。
「次はお前か!」
黒い塔の前。
三人は再び構えた。
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