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第23話 「残された二人」

静寂の中風が吹く--

夜。



瓦礫(がれき)の街の中央。



コトハは 崩れるように(ひざ)をついていた---



腕の中。

リント。

胸を(つらぬ)かれたまま。

動かない…



「……嘘」


声が(かす)れる。


「嘘だよ……」



キリカが立っている。

動かない。



ただ 拳を握りしめたまま。

「……おい…」


小さく言う。

「起きろ…よ」



リントは動かない。



沈黙--



遠くで瓦礫(がれき)が崩れる音。



コトハの肩が震える。

「まだ……」


涙が落ちる。

「まだ一緒に……」



言葉が壊れる--



キリカが叫ぶ。

「リント!!!」



夜空に響く。


だが…


返事はない。


ただ風だけが吹くーー



キリカの顔が(ゆが)む。

「ふざけんな……」


声が震える。

「さっき約束しただろ!……」



三人の手--


あの瞬間が浮かぶ--



   『絶対死なない』



キリカの拳が震える。

「嘘つき……」


涙が落ちる。

「嘘つきだろ……」



地面を(なぐ)る。


ドンッ!!



「うわあああぁぁ…!!」



コトハが小さく言う。

「キリちゃん……」



だがキリカは止まらない。


ふいに立ち上がる--

その目は変わっていた。


怒り--


キリカが模倣アビスを(にら)みつける。



ただ静かにこちらを見て立っているーー黒い体。



キリカが(つぶや)く…

「…殺す」



コトハが顔を上げる。

「キリちゃん……!」



キリカは歩き出す。

「こんな……」


拳を握る!

「こんな終わり方…」


声が震える。

「納得できるかぁ!!」



地面を蹴る!!



ドッ!!


一瞬で距離を詰める。



拳。

衝撃。



ドカッ!!


模倣アビスが揺れる。



だが--

傷ひとつ付いてはいない---



ふいにーー

黒い腕が振り下ろされる。



ガンッ!!



キリカが吹き飛ぶ。


瓦礫(がれき)へ叩きつけられる。



コトハが叫ぶ。

「キリちゃん!!」



キリカは立ち上がる。


口から血。



だが笑っている…


「リントなら…こう言う」


「上等だ...…」



また突っ込む。


だが…


差は圧倒的だった。


衝撃。


ダンッ!!


ドカッ!!


キリカの体が何度も叩きつけられる…


「絶対…に…許さない…」


「返せ…」



ドゴォ!


バキッ!



まるで虫でも追い払うように…


右に左にーー

キリカの体が弾き飛ばされる。



コトハが震える。

「やめて……」



ハァ…ハァ...


キリカが(ひざ)をつく。


立てない--

だが顔を上げる。


「まだ…だ……」



!?--

(あきら)めないキリカに

模倣アビスが腕を震わせる--



再び腕が黒い刃へと変わる…


トドメをさす!!

その瞬間――



コトハの視界が(ゆが)んだ!


まただ…


未来。

見える。

キリカの首が落ちる--

「……!」



コトハが叫ぶ。

「やめてぇぇぇ…!!!」



その声だけが(むな)しく…

夜に響いた。



だが――

誰も応えない。


黒い塔が静かに脈打つのみ。


静寂ーーー

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


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