第14話 「模倣 (コピー)」
崩壊。
屋上の床が砕ける。
コンクリートが割れーー
リントたちは下の階へ落ちた。
ドンッ!!
粉塵が舞う。
リントは瓦礫の上に着地すると…
軽く肩を回した。
「いやー」
「ビル壊すとか弁償高そうだな」
キリカが叫ぶ。
「そこ!?」
コトハは端末を見ている。
「反応……」
「まだ上がってる」
その時!?
瓦礫の向こうからーー
ゆっくりと影が立ち上がる。
黒い霧。
アビスだった。
霧が静かに揺れる。
「……人間」
キリカが小声で言う。
「なんか」
「ラスボス感あるんだけど」
リントは頭をかいた。
「いや」
「まだ中ボスだろ」
その瞬間!
アビスが消えたーー
衝撃。
リントの腕が動く。
ドンッ!!
拳と拳がぶつかり合いーー
衝撃で周りの壁が吹き飛んだ!!
キリカが怒鳴る!
「ちょっ…リント!少しは周りの事考えなさいよ」
リントが笑う。
「おー」
「やるじゃん」
アビスは無表情だった。
「スキャン開始…」
リント
「ん?」
アビスが言う。
「お前…」
「強いな」
黒い霧が揺れる。
「見せてみろその力」
次の瞬間ーー
アビスが踏み込む。
その構え。
その動き。
その拳。
リントと――
同じだった。
一瞬…
空気が止まる。
ドンッ!!
リントが半歩下がり眉を上げる。
「……あれ?」
もう一度ーー
アビスが踏み込む。
完全に同じ動き。
同じ構え。
ドンッ!!
リントが笑った。
「マジか」
頭を掻く。
「それ」
「俺の真似だろ」
キリカ
「え?」
コトハ
「模倣……?」
アビスは静かに言う。
「学習ーー」
「再現ーー」
黒い霧が膨れ上がる。
「お前の戦いは…すでに理解した!」
リントは首を鳴らす。
「なるほどね」
拳を握りニヤッと笑う。
「じゃあさ…」
「本物とコピー」
一歩踏み出す。
「どっちが強いか」
「やってみるか?」
空気が震えるーー
その後ろで。
ゼノンは腕を組んでいた。
静かに呟く。
「模倣型アビスか」
少しだけ笑う。
「なるほど」
キリカが振り向く。
「え?」
「模倣型?」
ゼノンは答えない。
ただ…遠くの塔を見ていた。
黒い塔が
雲を突き抜けて立っている。
ゼノンが小さく呟く。
「一体目がこれか…」
「面白い」
リントを見る。
「どうする…リント」
黒い霧がーー
一気に膨れ上がる。
アビスが言う。
「戦闘を続行する」
そして…
リントが笑った。
「いいね」
拳を握る。
「じゃあ本物の戦い」
「見せてやるよ」
次の瞬間!!
二つの影が同時に消えた。
衝撃がーー
フロアを揺らし…崩した。
――ー同じ動きで。
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