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第五十八話 魔王サン 中編4

「ン? ナンダ貴様。1人デ我ト対峙スルツモリカ?」


 舐め切った態度でサンはラキアを見下ろす。

 俺は拳を握りしめてその光景を見ていた。

 

 ラキア……頼む……!

 

「話し合った結果、私1人で十分だと判断しました」

「フザケタコトヲ……」


 サンが話し終える前にラキアは飛び上がり空中で回し蹴りをサンの頭部に放つ。

 完璧に捉えていたが、サンは微動だにしない。


「ナニヲスルカト思エバ……貧弱過ギル!」


 サンの羽で勢いよく地面へと叩きつけられた。

 大地は簡単にえぐれ、ラキアがバウンドする。

 右足が千切れて彼方へと飛んでいく。


「ラキアッ!」


 俺はたまらず前に出ようとするが、バルトに止められる。

 

「ラキアがやるって言ったんだ……俺らは隙ができた瞬間を逃さねぇようにするしかねぇぞ。それに……今のあいつは不死身みたいなもんだ」


 バルトが指差すと、ラキアは跳ねながらすでに右足の治癒を終えて復活していた。

 だが、いくら超高速回復をしたところでサンにダメージを与えられなければ隙は作れない。


「ハアァァァァァァァァァ!!!」


 空中で体勢を整えたラキアは拳の乱打を繰り出す。

 サンに命中はしているものの、ノーダメージだ。


「貴様ハ蠅カ」


 羽を大きく広げてスキルの体制をとる。

 まずい、あのスキルを至近距離で喰らってしまったら、いかに超回復とはいえ、跡形も残らない。


日輪(デュレ)


 サンの死の宣告とも言えるスキル発動。

 青白い焔が竜巻のように荒れ狂いすべてを焼き尽くしていく。


 ラキアは避ける素振りなく生身で受け止める。

 あっという間に塵と化していった。


「我ニ勝テルハズナカロウニ……哀レナ」


 ダメだ、もう抑えきれない。

 今すぐ一撃のために溜め込んだ魔力をすべて放出してぶつけてしまいそうだ。


「ン……?」


 燃え上がる大地をサンは訝しむ。

 俺も合わせて大地を見ると、燦々と輝く光の粒子がある一点に集中していく。


 カッ、と閃光が放たれると、ラキアの姿は元通りになっていた。


「……貴様……ドンナ手品ダ?」

「手品でもなんでもありません。人が秘めたる可能性の力を発揮しただけです。そして……もうお喋りする(いとま)はありませんよ」


 光の粒子はなおもラキアの元へと集まっていく。粒子がラキアに触れると弾けて紫色の魔力へと変化していった。

 気づけばラキアの肌の色が灰色へと変化している。


「億物開放」


 紫色の魔力は爆発的にその量を増やしていった。質も量もサンと遜色ないどころか、上回っている……?


「ラキア……そんな力を行使して大丈夫なのか……?」


 長い時間は持たないと言っていた。ということは、超回復できるラキアですらのしかかるリスクがあるということだ。

 

 ――――揺れるな。ラキアがそこまでして陽動しているのだ。きたる一瞬に向けて魔力を練り上げなければ。


「……人間ガ持ツ魔力量デハナイゾ、コレハ――」


 話は終わりだろうと言わんばかりにラキアは紫色の魔力を巨大な拳と変化させて、サンの脇腹に深々と突き刺していた。

 

「ゴッ……!!!」


 初めてのダメージ……!

 そのまま巨大な拳は数を増やしていき、16本の拳で次々に拳を放っていく。

 サンはガードもままならず拳を受け続ける。


「今です!」


 ラキアの掛け声とともに、俺たち3人は動き始めた。

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