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オンラインゲームしてたらいつの間にやら勇者になってました(笑)  作者: こばやん2号
2部【アース大陸横断編】 第1章 「目指せドグロブニク 漫遊編」
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50話:「初めてのパーティー戦」


旧王都フランプールを荷馬車で出発して半日が経過しようとしていた。

太陽が休むことなく走り続ける荷馬車のちょうど真上に差し掛かろうとする頃合

そろそろ馬たちが疲れを見せ始めたため、馬の休憩と昼食をとることにした。


「なあエルノア? 一人で馬を引くのは大変だろうからさ

 俺にも馬の操り方を教えてほしんだけど・・・・」


飯を食べながらエルノアにそう頼んでみたところ


「大丈夫です。 あたしにお任せください!!」


そう言いながら大きな胸を張って見せる。

(いやだから俺も馬を操りたいのだが・・・・・・)


まあとりあえず旅はまだ始まったばかりなので

今のところは彼女に馬を任せることにした。

徐々に教えてもらえればいいしね。



昼食後ゆったりと過ごし、馬の体力が完全に回復したところで

再び荷馬車を走らせた。


人が全力疾走で走るよりも早く進む荷馬車は

吹き抜けてゆく風が心地よく肌を撫でまわす。

荷台から変わりゆく景色を眺めていると、とある森が目に飛び込んできた。


深みのある緑、深緑という表現が似合う森から

突然モンスターの一団が姿を現した。


「っ!? エルノア馬車を止めるんだ!!」


その姿を視認した俺は戦いに備えるべくエルノアに指示を出す。

他の二人は馬車が止まるとすぐさま荷台から飛びおり戦闘態勢に入る。


「ヤマトさん、来ます!」


真剣身を帯びた声でマーリンが叫ぶ

それに呼応するかのようにリナも腰に下げていたロッドを構える。


一方俺はというと・・・・


「ふわああああああ・・・・」


モンスターの群れが襲ってきていたが暢気のんき欠伸あくびをしていた。

その理由は簡単、モンスターが大した強さを持ち合わせていなかったからだ。

モンスターが森から出現した直後に俺はライブラリーコンファーメイションで

各モンスターのステータスを確認していたのだ。


結果、モンスターの名前と強さなどを戦う前に知ることができた。

モンスターの構成はゴブリン5匹、スライム6匹、スケルトン7匹、フォレストファング9匹となっており

それぞれレベルは10~23とバラバラだった。


「フォレストファング・・・・森の狼ね」


初めて見るモンスターだったが

他の3種のモンスターより少し強いというイメージしか湧かなかった。


「そんなに大した敵でもなさそうだし・・・・ここはそうだな・・・・」


そう呟くと俺は3人に指示を出す。


「リナ、エルノア、マーリンちゃん三人に任せるわ」


そして、荷馬車に片腕を押し付けて体重を預けながら

しばらく三人の戦いを観察することにした。


俺が戦闘に参加しないことを理解したのかそれぞれ三者三葉の反応を示す。


「ちょ、ちょっとヤマト様一緒に戦ってくださいよ~」


「わかりました。 このエルノアにお任せを!」


「数は少し多いけど、この三人なら何とかなりますのん・・・・」


まず最初に突出してきたのはフォレストファングの群れだった。

4種のモンスターの中で機動力が最もある彼らが一番最初に三人に接近する。


それを見たマーリンは杖を構え、攻撃魔法を詠唱する。


「中級魔法 (セカンド・マジック) ファイアー・ジャベリン!!」


マーリンの後方に炎でできた20センチほどの長さのものが数十本生成される

形状的にはジャベリンというよりもナイフに近かった。

彼女が手をフォレストファングの方に向けると、炎の槍がモンスターたちを襲った。


その体は槍で貫かれ、瞬く間に沈黙し動かなくなる。

9匹のうち6匹を一掃できたが残り3匹を打ち漏らしてしまう。


「任せて!」


言い放つと彼女は地面を蹴って、高く跳躍する。

彼女が就いている職業【レンジャー】によるステータス補正が効いているのだろう

それは跳躍というよりも飛翔というのが正しい表現だった。


5、6メートルの高さまで跳躍したエルノアは

腰に装備したポーチから小型ナイフを取り出すと

マーリンが打ち漏らした3匹のフォレストファングに向かって投げつけた。


小型ナイフは見事フォレストファングの急所を捉え、2匹が動かなくなった。

残りの1匹は急所を僅かに外したため絶命には至っていない。


地面に着地するのと生き残ったフォレストファングが突進してきたのはほぼ同時で

突進を避けようとしたが一瞬だけ狼の突進が早かったらしく

エルノアの体に衝撃が走った。


たまらず、地面に倒れ込むエルノア他の二人が彼女の名を叫ぶ


「待ってて、今回復するから・・・・」


そう言うとリナは手に構えたロッドに魔力を込め

治療魔法を唱える。


「初級魔法 (ファースト・マジック) イシリァル・リカバリー!!」


リナはエルノアに治療魔法を使った。

エルノアが感じていた痛みが消え去り、何事もなかったかのように立ち上がった。


残りの1匹をエルノアがナイフで仕留めると同時に

ゴブリンとスケルトンが襲ってきた。


エルノアはナイフで何とか応戦するが多勢に無勢の状態

マーリンはさらに魔法でスケルトンを相手にしている


二人の状況を把握しつつリナは呪文を唱える、そして


「中級魔法 (セカンド・マジック) ウインドサイクロン!!」


彼女が魔法を唱えると、二つの大きな竜巻が出現し

それが縦横無尽にモンスターたちに襲い掛かった。

生き残ったゴブリンとスケルトンを全て巻き込んだリナの魔法は

戦いの決着の決定打となった。


残りのスライムを油断なく一掃した彼女たちはこうして

総勢27匹いたモンスターの群れを掃討したのだった。


戦いの一部始終を見ていた俺は戦闘を終えてへたり込んでいる三人に

賞賛の拍手を送った。



「よくできました! 全然余裕だったじゃん」



と心にもないことを言ってみる。

彼女たちに余裕など一切なかったことを知っていたのだから。


予想通りその言葉に全員が声を揃えて返答した。



「「「んなわけあるか!!!!」」」



その揃った声に一瞬戸惑ったが

ツッコミができるのなら三人とも大した怪我はないだろう。



こうして、三人の初めてのパーティー戦は白星で幕を閉じたのだった。

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