表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/17

学校裁判

 私の学校、■■■学校中等部には"学校裁判"と言う集会?イベント?のようなものがあります。

 ソレは裁判とあるように、なにか学校内で問題。例えば校則違反とかを起こした生徒が壇上に上げられ、犯した罪を自白させられ、その被害者がいればその被害者の言葉も添えて裁判が行われます。

 この裁判は複数箇所不可解な点があります。

 上げていけばキリがありません。ただ、中でも特に不可解な点と言えば、男子しか裁判が行われないことです。


『被告登壇。』


 体育館の大きなスピーカーから女子生徒の声が鳴る。

「おい。行きなさい。」

 後ろからは教頭の偉そうな声。小さく舌打ちをして体育館の舞台裏から出る。

 すぐにブーイングの嵐。さっきまで仲良く話していた奴も、苦手な奴も、みんなして俺に親指を下にむけていた。

 頭を掻き毟り、舞台に設置された演題に両手を置き体重を預ける。


『被告は[校則5条生徒間の交際を禁ず。]を犯したとされています。間違いありませんか?』


 さっきと同じ女子生徒の声だ。

「ああ、そうだよ!どうして恋愛に学校が指図してくるんだよ!おかしいだろッ!!」

『被告は質問にのみ答えることを許可します。』

 遠回しに黙れと言われた。言論の自由は日本国憲法で認められているはずではないか。


『校則違反は修学旅行(しんこんりょこう)の刑が適用される決まりです。』


「あ゙ぁ゙?」

 修学旅行(しんこんりょこう)の刑。聞いたこともない刑罰だ。学校裁判でも。実際の国営の裁判でも。確かなのは旅行は刑罰になり得ないということだけだ。


 ただ、身も心も凍るような感じがした。この感情に根拠も何も無い。

 ただ、恐怖した。

 ただ、後悔した。


『被告に適用される刑罰に異論がある方はいらっしゃいますか?』


 沈黙。誰も異論がないようだ。


「ちょ、ちょっとまって。ちょっとまってくれよ。待ってください。嫌だ嫌だ嫌だ!!」


『被告退場』


 心からの恐怖。

 嫌だ嫌だ嫌だ。どうしてどうしてどうして。


 恐怖でその場に蹲る。


『被告退場しなさい。』


 無慈悲に、淡々と告げられる指示に恐怖心を抱く。


 教頭がこちらへ歩いてくる。そして俺の方を掴み無理に舞台裏に戻そうとする。

「嫌だぁッ!!嫌だぁッ!!!!!!!」

 赤子のように泣き叫ぶ。それでも教頭は一切力を緩めない。




『これにて閉廷。』




 次の日、昨日修学旅行(しんこんりょこう)の刑に処されたはずの■■君はいつも通り来た。紅い封筒と、(■■■■■■)を添えて。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ