学校裁判
私の学校、■■■学校中等部には"学校裁判"と言う集会?イベント?のようなものがあります。
ソレは裁判とあるように、なにか学校内で問題。例えば校則違反とかを起こした生徒が壇上に上げられ、犯した罪を自白させられ、その被害者がいればその被害者の言葉も添えて裁判が行われます。
この裁判は複数箇所不可解な点があります。
上げていけばキリがありません。ただ、中でも特に不可解な点と言えば、男子しか裁判が行われないことです。
『被告登壇。』
体育館の大きなスピーカーから女子生徒の声が鳴る。
「おい。行きなさい。」
後ろからは教頭の偉そうな声。小さく舌打ちをして体育館の舞台裏から出る。
すぐにブーイングの嵐。さっきまで仲良く話していた奴も、苦手な奴も、みんなして俺に親指を下にむけていた。
頭を掻き毟り、舞台に設置された演題に両手を置き体重を預ける。
『被告は[校則5条生徒間の交際を禁ず。]を犯したとされています。間違いありませんか?』
さっきと同じ女子生徒の声だ。
「ああ、そうだよ!どうして恋愛に学校が指図してくるんだよ!おかしいだろッ!!」
『被告は質問にのみ答えることを許可します。』
遠回しに黙れと言われた。言論の自由は日本国憲法で認められているはずではないか。
『校則違反は修学旅行の刑が適用される決まりです。』
「あ゙ぁ゙?」
修学旅行の刑。聞いたこともない刑罰だ。学校裁判でも。実際の国営の裁判でも。確かなのは旅行は刑罰になり得ないということだけだ。
ただ、身も心も凍るような感じがした。この感情に根拠も何も無い。
ただ、恐怖した。
ただ、後悔した。
『被告に適用される刑罰に異論がある方はいらっしゃいますか?』
沈黙。誰も異論がないようだ。
「ちょ、ちょっとまって。ちょっとまってくれよ。待ってください。嫌だ嫌だ嫌だ!!」
『被告退場』
心からの恐怖。
嫌だ嫌だ嫌だ。どうしてどうしてどうして。
恐怖でその場に蹲る。
『被告退場しなさい。』
無慈悲に、淡々と告げられる指示に恐怖心を抱く。
教頭がこちらへ歩いてくる。そして俺の方を掴み無理に舞台裏に戻そうとする。
「嫌だぁッ!!嫌だぁッ!!!!!!!」
赤子のように泣き叫ぶ。それでも教頭は一切力を緩めない。
『これにて閉廷。』
次の日、昨日修学旅行の刑に処されたはずの■■君はいつも通り来た。紅い封筒と、奴を添えて。




