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人なら、喰う程。

「どこだ、ここは。」

 疑問、そして畏怖。さっきまで暗い暗い部屋に居たはずだ。

 なのに、視界に広がる景色は蒼、蒼色。息を呑むほどきれいな蒼色。海だ。

 その背後には、すべてを飲み込むような深い密林が広がっている。そこからは金属を引っ掻いたような鳥の声が聞こえる。

 ガタガタガタと手が震えている。収まらない。少しずつ強くなる。瞳孔が揺れる。


「やあ、君はどうして、来たんだい?」


 軍人だ。迷彩服を着ている。ヘルメットを被っている。だが、ところどころ砕けている。ヘルメットには誇らしげに大日本帝国の国旗が刷られている。成る程。

「ここは?」

「理解るだろう?」

「......ああ。理解るさ。」

「どうしたんだ?」

「気が狂って。それで。そういうお前は?」

「戦時中にな。物資が少なかったんだ。それでな。」

「ああ、なるほど。そりゃ災難だったな。」

「ああ、全くだ。でもここは食料には困らない。」

「本当か?」

「ああ、本当さ。思い出話にでも花を咲かせようぜ。時間はたんまりとある。」

「ああ、そうしよう。」

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