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ハズレと言われた『磁石』スキルで、俺は世界を無双する。  作者: 小兼


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5話 初戦

 地中から飛び出してきたのは、錆びた剣だった。俺の『磁力吸引マグネット』に引き寄せられたのだろう。

 それよりも、魔力消費量を確認しないと。


「ステータスオープン」


---


ステータス


アオイ・モチヅキ


種族:人間

年齢:17

レベル:1


体力:50/50

魔力:30/50

攻撃力:50

防御力:50

素早さ:50

固有スキル:『磁石』


---


 魔力が30に減っている。『磁力吸引マグネット』の消費量は一回あたり20、か。一発で剣が出てよかった。

 剣なんて使ったことないが、そんなことを言っていられない状況だ。これで反撃する!

 俺は狼に向かって剣を振るい――


 ボロッ……バキッ!


 剣が、折れた。

 嘘だろ、おい!

 慌てて後ろへと飛んで、狼の爪をかわす。錆びている剣だから、そりゃ脆いか……なんて言っている場合じゃない。

 まだ、『磁力吸引(マグネット)』は、あと1回……いや、魔力が無くなったら体力を消費する、という俺の説が正しければ、あと3回発動できる。

 とりあえず、もう一度発動するか……。


「『磁力吸引(マグネット)』」


 そして、地面から何かが出てこないかと待ち構え――何も、起こらなかった。


「不発かよ!」


 クソ、貴重な3回を1回分無駄にしてしまった……!

 あと、2回。だが、それは俺の説が正しければ、の話。


 もし、間違っていたらどうなる?


 もしも、俺の考えてる中で一番最悪な説が当たったら、俺は魔力が尽きた時点で死ぬ。

 いや、何も発動できないという線もある。

 でも、体力を削りすぎるのはリスクがある。もしそれで綺麗な剣が出てきても、動けなくなったら本末転倒だ。

 だが、背に腹は代えられない。

 一か八かで再度発動。


「『磁力吸引マグネット』」


 地面から何かが飛び出してくる気配があって――出てきたのは、剣の鞘だった。


 本体ぃぃいいい!


 鞘なんて要らないんだよ!剣出せよ! でも何もないよりはマシだ。ステータスを確認する。


「ステータスオープン」


---


ステータス


アオイ・モチヅキ


種族:人間

年齢:17

レベル:1


体力:45/50

魔力:0/50

攻撃力:50

防御力:50

素早さ:50

固有スキル:『磁石』


---


 魔力が0になって、体力が45に減っている。あれ、体力は40になるはずじゃなかったのか?


 その時、影がさした。


「グゥォォオオオオ!」

「うわぁっ!」


ドゴッ!


 間一髪でよけた。あそこから逃げるのが遅れていたら、潰されていた。

 しかし、体力が5しか減っていないのは嬉しい誤算。

 もう一度。


「『磁力吸引マグネット』!」


ズボッ!


 地面から銀色に光る何かが飛び出してくる。ナイフだ。錆びてもいない、綺麗なナイフ。ようやく、武器になるものが出た。


「ステータスオープン」


---


ステータス


アオイ・モチヅキ


種族:人間

年齢:17

レベル:1


体力:45/50

魔力:0/50

攻撃力:50

防御力:50

素早さ:50

固有スキル:『磁石』


---


 体力が35に減っていた。

 どういうことだ?さっきは5しか減らなかったのに、今度は10……。

 なるほど。魔力の代わりに体力を消費する場合、消費されるのは魔力消費量の半分なのか。

 『磁力吸引(マグネット)』を使ったときの魔力消費量は20だが、体力の消費量は20の1/2の10なのだ。

 さっきのように5しか減らなかったのは、消費量のうち10は魔力で補っていたためだな。

 そのため、残った消費量は10となった。


 さて、体力的にはあと3回発動できるが……これ以上は止めておこう。

 体力は温存しておきたいし、これ以上減ったらどうなるのか分からないし。

 ひとつ文句があるとしたら……ナイフより、剣が良かった。

 ナイフだとリーチが短く、カウンターを食らう可能性が高い。

 だが、この今の状況で贅沢は言ってられない。

 あとは、どうやって狼を倒すかだ。

 後ろから不意打ちをかけるのは多分上手くいかない。

 あいつは、狼だ。つまり、鼻がいい。

 後ろから襲い掛かるのはほとんど無理だ。

 だからといって、正面から向かっても、逆に殺られるだけだろう。


 あの爪に、あの牙に。


 なら――この方法ならいけるんじゃないか。


 俺は下準備を終えると、木々の隙間に滑り込んだ。さっきと違い、狼は迷いもせず一直線にこちらへ向かってくる。


 俺の前で立ち止まり、屈みこんで――


「――『磁力吸引マグネット』!」


―――ヒュッ――ゴンッ――――


 狼が前に倒れ込んだ。


 事前に置いておいた剣の鞘を、『磁力吸引マグネット』で引き寄せ、狼の頭に直撃させたのだ。想定以上の威力で、狼は気絶している。

 しかし、これで体力は25になった。もうふらついてきているし、眩暈がする。


 でも、待っていられない。休んでいる間に狼が意識を取り戻したら終わりだ。


「ハァ、ハァ、ハァ、フーッ」


 息を整え、気絶した狼の頭部にナイフを刺した。


ドスッ


「ギャンッ!」


 狼が痛みで目を覚まし、俺を襲おうとするが――また、倒れた。数回痙攣して、息絶える。


「ハァ、ハァ、ハァ――ッ」


 生き延びた。この世界で、生き延びた。

 これからこんな戦いを何度も繰り返すのか、このスキルで――と思った時。


《レベルが上がりました》


「あ?」


 その声を聞いた途端、先程から感じていた目眩や息切れが、消えた。

 何で治ったのか分からないが、とりあえず、助かった。


《レベルが21になりました》

《『磁力吸引(マグネット)』のスキルレベルが2になりました》


 お、スキルレベルまで上がったのか。

 ……ん?


《新たなスキルが解放されました》

《レベルが21になりました》

 計算したところ、1日数話投稿してたらあっという間に執筆が間に合わなくなるので、1日で複数話投稿はやめておきます。






 なにせ1000話まである予定なんだから

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