6話 活路
なんで「タイトルは全て二字熟語」なんてルールを作ってしまったんだろ。
《新たなスキルが解放されました》
お?
新たなスキルが解放された?どんなスキルが追加されたんだ?
……返事は、ないのか。
この、声……天の声とでも呼ぶか。この天の声は話しかけてくるだけで会話はできない、一方通行になっているのか。
まあ、ステータス開けば確認できることだしな。別に返事がなくてもわかる。
とりあえず、ステータスを確認するか。
「ステータスオープン」
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ステータス
アオイ・モチヅキ
種族:人間
年齢:17
レベル:21
体力:525/1,050
魔力:1,050/1,050
攻撃力:1,050
防御力:1,050
素早さ:1,050
固有スキル:『磁石』
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……え?
何か、全体的にすごい上がってる。
レベル1の時の、2桁しかなかった頃とは比べものにならない。
何でこんなに上がったんだ?
……ああ、掛け算なのか。
元の数値が50。それに、レベルの21を掛けると、1,050になる。
これ、さらにレベルをあげたらとんでもないことになりそうだな。
あ、そう言えば俺の魔力量はどんなってんだろう。
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魔力:1,050
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……おお、魔力が全回復している。
レベルが上がると、魔力の数値はリセットされるのだろうか?魔力の回復方法がわからない今、かなり有益な情報だ。
だが……何で、体力は全回復してないんだ?
ああ、そうか。
レベルが上がる前の体力は、確か25だった。
で、25にレベルの21をかけると525になる。
つまり体力は全回復ではなく、元の数値にレベルをかけた数になるのか。
さて、気になっているのは、新たに追加されたというスキル。
固有スキルの欄を軽く指先で叩く。
そして、現れる新たなステータス。
《磁力吸引:LV2》
《磁極付与:LV1》
新しく追加されたのは、この『磁極付与』か。
これは、どういうスキルなんだ?
とりあえず、発動してみるか……。
「磁極付与」
……あれ、何も起きない。
『磁極"付与"』と言うんだから、何か物に使用しないとダメなのか?
とりあえず……そうだな、この道端に落ちてた石に使ってみるか。
そして、発動。
「『磁極付与』」
《選択してください。S/N》
!?
何だ!?
選択してください?選べってことか?
ていうか、Yes/NoじゃなくてS/Nなんだな。
このSとNは一体……ああ、S極とN極か。
なるほど、このスキルがなんなのか、大体理解した。
その仮説が正しいか確かめるため、とりあえずS極を選択する。
「……」
何も起きない。ま、当たり前か。
S極の磁石だけじゃ、何も引き寄せられない。
じゃあ、とりあえずもう一個何かにN極を付与……じゃあ、ここに落ちてる石にしよう。
「『磁極付与』」
そして、その石にN極を付与し……その途端、石が消えた。
え?どこいった?
回りを見渡すと……すぐそばに、砂の塊のようなものがあった。
何だ、あれ?……俺が『磁極付与』した石じゃん。
多分、N極を付与した瞬間、S極を付与した石にぶっ飛んで砕け、砂のようになったのか。
で、砂のようになった石がくっつき合い、こうなったと。
あ、この『磁極付与』の魔力消費量はどれくらいなんだろう。
「ステータス、オープン」
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ステータス
アオイ・モチヅキ
種族:人間
年齢:17
レベル:21
体力:525/1,050
魔力:1,010/1,050
攻撃力:1,050
防御力:1,050
素早さ:1,050
固有スキル:『磁石』
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魔力が、1,050/1,050から1,010/1,050へと、40減っている。
S極の付与に1回。
N極の付与に1回。
計2回、『磁極付与』を発動した。
つまり、この『磁極付与』の魔力消費量は『磁力吸引』と同じ20、なのか。
これ、何か戦闘とかに活かせないかな……。
そうだ、こういうのはどうだろう?
ナイフの刃先にS極を、そして狼などの敵にN極を付与する。
そうしたら、どうなる?
とりあえず、あの木で実験してみるか。
「『磁極付与』」
ナイフに、S極を付与。
「『磁極付与』」
そして、木にN――
ビュンッ――ドスッ!バキバキバキッ!
「……」
……実験結果。クッソ危険。
目で視認するのもギリギリなぐらいの早さで、ナイフが木に向かって飛び、木に突き刺さるのみならず、木を折り飛ばしてしまった。
その影響で抉れた地面を見て、考える。
――これなら、あの狼も一撃で倒せるんじゃないのか?
これなら、この世界でも生きていけるかもしれない――。
見えてきた。希望が。
この森でも、そして、この世界でも。生き延びることができる道が。
女神の声を、思い出す。
――『あなたは、ハズレスキルを持った、召喚の失敗作です』
――『あなたのような役立たずにかまっているほど、私は暇ではないのです』
――『彼が死ぬか、奇跡的に生き延びるか、それは運命に任せます。まあ、どうせ死ぬでしょうが』
――あの、クソ野郎。
勝手に俺を異世界に召喚して、勝手に勇者にして、勝手にスキルを与えて、勝手に捨てた。
確かロベリア、とか言ったか?
あのクソ野郎。舐めやがって。今頃、あいつは俺が死んだと思ってるのだろうな。だが、残念だったな。
俺はまだ、生きている。
このままこの森を生き抜き、森を抜け、力を付ける。
そして、いつかあのクソ野郎に目に物を見せてやる。地獄に、堕としてやる。
そして、経験値狩りをするべく、俺は森の奥へと向かった――。
日本やアメリカには、電磁砲台なるものがあるらしい。




