4話 遭敵
今日投稿するのは4話までにしておきます。
こんなぽんぽん投稿してたらストックが尽きてしまう。
あれから数時間。ずっと森の中を歩き続けているのだが、抜ける気配が全くない。あのクソ女神が言ってたが、未開の森らしいしな。
そして当然のように夜になり、森の中には明かりがない。数メートル先すら見えなくなっている。
怖い。これほどの恐怖は、感じたことがない。
……いや、あったな。小学生の頃にやった肝試し。あれも確かこれくらい怖かった。でも、あの時は命をかけていたわけじゃなかった。何があっても死なないという安心感があった。憑かれるかもという恐怖はあったが。
だが、これは、違う。常に死と隣り合わせの、森の中。安心感などあるわけがない。あるのは、死ぬかもしれないという恐怖感のみだ。
にしても、暗すぎる……俺が昔住んでいた村もかなり田舎だったが、こんなに暗くはなかった。改めて、日本がどれだけ恵まれていたのかに気づいた。
だが、光源がないと崖があっても気づけない。このままじゃ危険すぎる。
なんでもいいから光源が欲しい……光源か。それなら、あるな。
「ステータスオープン」
手のひらを上に向けて唱えると、半透明の光の板が現れ、周囲をぼんやりと照らした。ステータスを照明に使うのは本来の用途とは違う気もするが、今はそれどころじゃない。使えるものはなんでも使えだ。
そういえば、スキルに何か変化があったりしないかな。一応確認しておくか。
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ステータス
アオイ・モチヅキ
種族:人間
年齢:17
レベル:1
体力:50/50
魔力:50/50
攻撃力:50
防御力:50
素早さ:50
固有スキル:『磁石』
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やっぱり、何も変わってないな。ん?
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固有スキル:『磁石(tap!)』
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tap? 押せってことか?
人差し指を伸ばして、固有スキルの欄を軽く叩く。
「うお!」
すると欄から光が出て、長方形の形を取り、ステータス画面が二枚重なったような状態になった。何が書いてあるんだ?
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《磁力吸引:LV1》
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……だけか。
でも、このLV1というのが気になる。レベルが上がったら何か変わるのか。それより、『磁力吸引』とはどういう技なんだろう。名前から大体は想像できるが、試してみるか?
いや、待て。俺の魔力量は50しかない。これがどれだけ魔力を消費するのかわからないし、今は止めておいた方がいい。
そう考えた時――背後から、気配を感じた。
ゾクッと嫌な予感がして、振り返る。
闇の中に、光る二つの眼が浮かんでいた。
クソ、ステータスに意識を向けていたせいで、近づいてきたのに気づかなかった!
ステータスの光を浴びて、それが全貌を露わにする。白い毛並みに、二メートルを超す巨躯。鋭い歯が口の隙間から見えている。
狼だ。
その威圧感に、体が金縛りにあったかのように動かなくなる。狼が口を大きく開き、咆哮した。
「グゥォォオオオオ!」
「うわぁぁああああ!」
ようやく体が動くようになり、俺は全力で逃げ出した。死ぬ死ぬ死ぬ! あんなのに捕まったら食われる!
木と木の隙間が狭い場所を選んで走り続ける。ただただ、逃げる。
――怖い。
あの狼が、怖い。
死ぬのが、怖い。
全く知らないこの世界が、怖い。
怖い、怖い、怖い。
すると、視界の端に、木々に囲まれた隠れ場所が映った。すかさずUターンして、その中に滑り込む。中は蜘蛛の巣だらけだったが気にしない。気にしていられない。
「ゼェ、ゼェ、ゼェ……」
息を殺して狼の気配を探る。狼は近くをうろうろしながら、見失った俺を探しているようだった。
ほっと安堵した俺の足に――
コツン
と。何かが当たった。
「……?」
見てみると、人間の頭蓋骨だった。
息を飲む。ここは、魔物の巣窟。人だって、何人も死んでいるはずなんだ。
俺も、こうなってしまうのか?
そこで気づいた。狼の足音がしない。
恐る恐る後ろを見ると――いた。
「グゥォォオオオオ!」
バキバキバキッ!
俺は破壊される木々の音を聞きながら、また全力で逃げ出した。
もう何もできない――いや。一つだけ、当てがある。
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《磁力吸引:LV1》
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だが、これの魔力消費量がわからない。もし消費量が俺の魔力の最大値である50を上回ったら、魔力の代わりに体力が削れるかもしれない。
いや、体力が削られるわけでもなく、魔力が尽きた時点で死ぬかもしれない。でも、何もしなければ死ぬんだ。やるしかない。
発動方法は――なぜか、直感でわかった。技名を口に出す。それだけだ。
「『磁力吸引』」
発動する。
磁石スキルを。『磁力吸引』を。
すると、地中から何かが飛び出してきた。
ちなみ女神討伐=終わりじゃないです




