2話 召喚
とりあえず最初はスタートダッシュが肝心なので、今日は3、4話ほど出そうかな?とか考えてます。
そもそもがこの磁石無双ですが、以前17話まで投稿したところで間違えて削除してしまったやつなんです。(ランキング載ったのに!週刊ユニークユーザ700超えたのに!)
なのですでに17話までは最初からあって、そこから色々加えて50話ほどまでできてる状態なので、ストックはあります。
では、本編へどうぞ
どこだ、ここ?
周りを見渡すと、薄暗い石造りの部屋だった。
かなりの広さがあり、部屋の四方にそれぞれ立派な扉が一つずつ。その扉の両脇には、武装した騎士が一人ずつ立っている。騎士は鎧を身につけ、右手に槍、腰に剣を吊るし、絵に描いたような騎士のたたずまいだ。
天井からは鎖で吊るされたランタンのようなものが、部屋をぼんやりと照らしている。
明らかに、日本ではない。
そして、目の前にいる、この女。
「はじめまして、アオイ・モチヅキ様!」
目の前の女が、高らかに声をあげた。
誰だ?
桃色の髪に、金色の眼。フワリとした、ドレスともローブともつかない服に、金色のティアラ。笑顔が貼り付いたような顔で、俺をまっすぐ見ている。
俺の名前を知ってることからも、どうやらこの女に聞くのが一番早そうだ。
「……あの、あなたは誰ですか?」
「私の名前はロベリア。あなたを召喚した、女神です」
……召喚?召喚ってなんだ?
いや、召喚くらいは知ってる。でも、この状況で使われる意味がわからない。
「あの、召喚とは一体……?」
「アオイ様は、私によってこちらへと召喚されたのです。それともう一つ、言わなければならないことがあります」
何だろうと思って待つと、女神ロベリアは表情ひとつ変えずに告げた。
「元の世界に戻ることができない、ということです」
……は?
「戻れない、というのはどういう……?」
「私が扱う召喚術は、生きた人間を召喚することができないのです。生きた人間を召喚してあちらの世界の運命を変えてはいけないからです」
「……」
「そのため、あちらの世界から居なくなっても問題のない者のみ召喚されます。具体的には、亡くなった者や、居なくなっても誰にも気づかれない者です」
「……亡くなった者? 俺は、死んで?でもまだ生きてますよ?」
「私の召喚術は、召喚対象がすでに生命活動を停止していた場合、自動的に蘇生させます。ですが、あちらの世界では人間の蘇生は不可能。そのためアオイ様を帰すと、あちらの世界でバグが発生し、アオイ様は消滅します」
その言葉を聞いた瞬間、俺の頭の中が真っ白になった。
あの高校に、あんなに頑張って入ったのに。これから最高の人生を過ごすはずだったのに。
嫌だ。帰りたい。元の世界に帰って、普通に生きたい。
「元の世界に帰る方法は、何かないんですか!?」
「残念ながら、アオイ様はもうこの世界で暮らすしかありません」
「そんな……」
膝から力が抜けて崩れ落ちそうになった俺に、ロベリアが優しく続けた。
「ですが、可能性は低いですが帰れるかもしれない方法が一つだけあります」
顔を上げる。
「帰れる方法が!? 教えてください!」
「失敗する可能性が非常に高く……」
「それでも構いません!」
本心だった。こんな、何があるかもわからない世界で生きてくくらいなら、元の世界に戻りたい。
「わかりました。その方法とは、魔王を倒すことで手に入れられる特殊な魔力――霊力を用いて、あちらの世界のシステムを改竄し、アオイ様が亡くなったという情報を消すことです」
「……魔王?」
「そうです。今回アオイ様を召喚したのは、魔王を倒す勇者になってほしいからです」
俺は呆然とした。
「俺は戦力にならないと思うんですが。ただの高校生ですよ? 魔王なんてどうやって倒せばいいんだ……」
「アオイ様には、勇者としての素質があります」
「でも、戦ったことなんて一度もないし……」
「問題ありません。私の召喚術で召喚された者には一つ、スキルが与えられます」
「スキル?」
「まず、ご自身のスキルを確認しましょう。手のひらを上に向け、こう唱えてください」
言われた通りにする。
「ステータスオープン」
すると手のひらから光が出て、長方形の半透明な板のような形をとった。
「うぉお!」
「なるほど、これがアオイ様のステータス……ですか」
ちょ、ちょっと。顔が近い!横から覗かないでほしい!
思春期を終えたばかりの俺にはきつい。そんなことを考えながらロベリアの顔をちらりと見ると――笑顔が消えていた。失望したような表情になっている。
何があったんだ。まさかこのステータスが原因か?
目の前のステータスウィンドウに視線を向ける。
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ステータス
アオイ・モチヅキ
種族:人間
年齢:17
レベル:1
体力:50/50
魔力:50/50
攻撃力:50
防御力:50
素早さ:50
固有スキル:『磁石』
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えーと、これって強いのか……?
ちらちと横目で見ると。ロベリアの表情がますます曇っていく。
「……『磁石』、ですか。体力も魔力も低い、固有スキルも使い物にならない……ハズレですか」
ロベリアが手を顎に当て、ぶつぶつと喋っている。
「あの、ロベリア様?」
「話しかけないでください、ハズレ如きが」
「え……?」
突然の態度の変化に、俺は言葉を失った。




