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ハズレと言われた『磁石』スキルで、俺は世界を無双する。  作者: 小兼


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13/23

13話 交流

 翌朝。

 まだ薄暗い時間、ロカルドが集会所にやってきた。


「おはよう。起きてるか?」

「……はい」

「村長からの指示だ。今日一日、俺と一緒に仕事を手伝ってもらう。村人たちに、お前の人となりを見せてやれ。お前が敵じゃないってわかれば、受け入れてくれるかもしれん」

「……はい、頑張ります」


 この村にただで住ませてもらってるんだ。それぐらいは、やらないと。

 それに、村長や村民にも、俺が無害だと知ってほしいしな……その辺で魔物を殺しまくってる俺が、無害かどうかは知らんが。


 ロカルドの仕事は、村の防衛線の見回りと、畑の見張りだった。畑は最近、魔物による荒らし被害が増えており、警備が必要だった。

 で、俺はロカルドと見張りの仕事を――と、思ってたのだが。


「あ、君暇?畑仕事手伝ってくんない?」

「え?あ、いや」

「大丈夫!大丈夫!見張りの仕事なんて、ロカルド1人で十分だから!」

「いや、あの、(そん)ちょ――うわっ!」


 突然、お婆さんに畑仕事を手伝えと言われ、一旦断ったものの手を掴まれて畑へ引っ張られた。

 え!?俺ここきて1日も経ってないのに!?

 村長にも、村の人とあまり関わるな、って言われてるのに、どうすればいいんだこの状況。

 ちょ、ロカルド!助けて!


「……」


 俺がロカルドの方を見ると、スッと目を逸らされた。その目には、哀れみと呆れの色が浮かんでいた。


 ロカルドォォオオ!


 そのまま畑へ引っ張られ、手を放された。と思いきや、放された手にクワを握らされた。

 畑をこのクワで耕せ、ということらしい。ちなみに、拒否権はないっぽい。

 ……え?この畑、全部耕すの?


 遠くで、とんでもないスピードで畑を耕していくお爺さんやお婆さんが見える。

 あの人達が出来るなら、俺にだってできるか……。

 と、思ってた時期もあった。


 辛い……!

 クワを振り上げる度に体が悲鳴あげる!

 振り下ろしたら、その勢いで体が倒れてしまう!

 それなのに、向こうのお爺さんやお婆さんは変わらず、談笑しながら畑を耕してる。

 ……始めて、お爺さんとお婆さんのこと尊敬した。

 よし、俺も頑張るか。


 振り上げる。下ろす。引く。

 振り上げる。下ろす。引く。

 振り上げる。下ろす。引く。

 振り上げる。下ろす。引く。

 振り上げる。下ろす。引く。


「……」


 だんだんと、畑を耕すのが苦じゃなくなってきた。

 え?コツ?何も考えないで、無心になること。

 クワを持って無心になると、あら不思議。気づいたら、畑が耕されているではありませんか。

 代わりに、身体中がとんでもなく痛いが。


 数時間も畑を耕して、目と心が死んだがその甲斐はあったらしい。

 黙々と畑を耕していると、少しずつ村人たちの視線が変わっていくのがわかった。


「……あの子、よく働くな」

「てっきりただの厄介者かと思ったが……」


 そんな声が、聞こえる。

 この畑仕事のお陰で、少しは印象が良くなっただろう。

 そして、俺は無心で畑を耕し続けた。


...

..

.



 昼過ぎ。俺のことを思い出したお婆さんに、「畑仕事はもういい」と言われ、畑の見張りをしていた時だった。


「おい、ロカルド。あれ!」


 村の外れの林の中から、小型の魔物が現れた。

 簡単に言えば、猪と猿をくっつけたような見た目。


「チッ、畑を狙ってやがる!」


 ロカルドはすぐ、魔物に気づき、剣を抜いて駆け出した。

 俺にも、何かできることはないかな……。

 ナイフは……持ってきてないか。じゃ、その辺の石……そこそこの重さの大きさで、角が尖ってるもの……あった。


「『磁極付与』」


 手に持った石に、S極を付与。

 N極は、もちろん魔物に。


 ヒュッ――ドスッ


 S極を付与された石は、魔物の方へと飛んで行き、脇腹に直撃。

 魔物が血を吐き、よろめく。


 ロカルドが間髪入れずに斬りかかり、魔物はその場で絶命した。


「……今のは、お前が?」


 あ、やべ。あんまりスキルを人に見せないようにしよう、と決めたばかりなのに、何も考えずにスキルを使ってしまった。


「はい……すみません、勝手に……」


 ロカルドはしばらく黙っていたが、やがて苦笑した。


「いや……助かった。お前が石を投げてくれたお陰で、楽に倒せた」


 ……おっと?セーフ、か?危ない……。

 今度からは気をつけることにしよう……守れる気がしないけど。


...

..

.



 夕方。村長に、集会場に呼ばれた。


「聞いたぞ。畑を守ったそうだな」


 あ、畑のこと、結構広まってるのか……。


「はい……」


 何を言われるかと身を縮めた俺に、村長が意外なことを言った。


「ふむ……では、一つ提案がある。この村で、しばらく暮らすつもりはあるか?」


 え?いいのか?

 いや、住ませてもらえるならいいんだけど。


「……はい」

「ならば、滞在を認めよう。お前に、1つの家を与える」

「ありがとうございます!」

「ただし……」


 ん?やっぱり、うまい話には条件があるのか?


「いくつか、お前の実力を見込んで、頼みたいことがある」


 え?頼みたいこと?俺に頼んでもいいのか?

 でも、せっかく信頼を得てきたし、断るのはまずいか……。


「何ですか?俺にできることなら、やります」

「うむ。実は、数日前にここの貿易路を絶たれたのだ」

「え!?」


 ちょ、結構重要そうなことだけど、俺に言っていいの?


「まあ、ここはほとんど何もないしの。こんな危険な山奥まで行って、交易する必要はないとの判断だろう」

「え、でも大丈夫なんですか?」

「安心せい。この村にすむ全員をまかなうだけの食料は、あの畑で作れる」

「そうですか……」

「で、本題だが。これまでは、貿易に来る者がいたため、魔物達も大人しかった。しかし、貿易に来る者がいなくなったため魔物が活性化し始めたのだ」

「……」

「その魔物による被害も、最近増加している。そこで、お前の実力を見込んでの依頼だが、近辺の魔物を倒してくれないか?」


 倒してくれないか?というけれど、これは断るのは無理だ。

 俺がこの村に住めるかどうかも、この村長が簡単に決めれるのだから。

 ま、それで信頼を得られるなら悪くない。それに、大抵の魔物なら倒せるしな。


「わかりました。準備を済ませて、明日倒しにいきます。それでいいですか?」

「うむ、頼む」


 こうして無事に、俺は村に受け入れられることができたのだった。

人との交流を書くの苦手なせいか、話の進み方が早すぎたり、終わり方が中途半端になったかも……。

 16話までは1年前に書いたやつなので、苦手なとこが目立ちます。

 17話以降は最近書いたものなのでそれほどではないです。多分。

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