二十二章
シィーフは、ダーウィン城で水鏡を眺めていた。
(ガサラも私のものになる・・・だが、障害となるあの兄妹の行動が読めない。何故だ・・・・・・)
今、シィーフの見る水鏡は、濁っていた。
(まあいい。奴等には《私の手》が行っているのだから)
不敵な笑みを浮かべていた。
(うっ・・・・・・何か寒気が。嫌な感じがする・・・)
ウェンディは、身震いして扉を閉めた。
「あぁ、いた。ウェンディ、探したぞ」
アレニウスの部屋を出ると、ジョージアが来た。
「ん?・・・団長に何か用があったのか?」
ウェンディの出てきた部屋をチラリと見て言った。
「え、えぇ。少し用事があって・・・・・・あ、そうだ。探してたって言ってましたけど、何かあったんですか?」
ジョージアは、無理矢理ごまかそうとするウェンディの様子に何か思ったようだが、話を進めてくれた。
「お前にも個人部屋が与えられているからな。案内してやる」
「あ。ありがとうございます」
サファル国の王城は、ナユヒッツアーク城と呼ばれ、ガサラ国の王城・ユハトワナーク城と同時期に建造されたと言われている。
主に、王や王に近しい者達の部屋や大きな広間等がある本棟『白薔薇の宮』、騎士団が多くいる西棟『紅躑躅の宮』、魔術団などの長期滞在に使われる東棟『青水仙の宮』などがある。
「・・・っていうことは、私たちが滞在するのは、『青水仙の宮』なのですね?」
ジョージアは、納得顔のウェンディにチラッと目をやると、そのまま前にスタスタ歩いていた。
「あぁ。そうだ」
部屋の並ぶ通路で足を止めた。
「そして・・・・・・ここがお前の部屋だ」
金メッキのドアノブをひねってドアを開けた――が、閉めた。
「・・・・・・どうした?急に閉めて」
「いや・・・変なものが目に入って・・・・・・ハハハ・・・」
首をかしげるジョージアを置いていってしまう勢いで回れ右をして、立ち去ろうとした。
「ちょっと待てウェンディ!この兄を見ておきながら閉めるとはどういう・・・・・・あ、これはレディ、失礼しました」
部屋から出てきた銀髪の青年は、ジョージアに一礼すると、ウェンディを追いかけ始めた。
「だいたい何で主のいないレディの部屋にアランがいるの?手紙の意味ないじゃない」
「前、お前もやってたろ?良いじゃないか」
「あぁ、そっか」
その結果として、ほのぼのした展開に置いていかれたジョージアとジンは心の中で突っ込んでいた。
((そっか、じゃないだろ!))
アラン:やっと僕の出番が来たぞ☆
あ、そうですね。っていうか、突っ込み役がウェンディさんでは、無理なので考えなくてはいけませんね・・・
アラン:・・・何のことだ?まぁいい。よし、このままウェンディとお兄ちゃんの物語で行くぞ!
行きません。次回も《漆黒と黄金の物語》を!よろしくお願いします。




