十八章
(・・・ここは・・・もしかして・・・・・・)
ウェンディは気がつくと、草原にいた。
(・・・あの草原だ)
そう、夢の中で来た霧のかかった草原だった。
ただ、以前と違ったのは、霧が少し薄く、何かが視線の向こうにあったことだ。
それは、どこかで見たことがあるような桃色の光をしていた。
それに加え、人影が二つ見える。
(だれ・・・?)
頭に響くような、だが、小さくて聞こえぬほどの声が聞こえた。
《・・・・・・を持つ者が貴女に近づいている・・・をつけよ・・・》
(え、何?聞えな・・・)
光も声も遠ざかっていた。
(待って!待ってよ!)
どんなに手を伸ばしても届かなかった。
顔が何故か濡れた。
・・・ンナー、ンニャー
顔が濡れていたのは、ジンが舐めていたからだった。
猫の生意気な表情の中に、やけに心配そうな、人間味溢れる異色目がウェンディを見つめていた。
「・・・夢・・・だよね・・・」
コクンと黒猫は頷いていた。
起き上がってみると、背中にはジトッと汗をかいてることが分かった。
落ち着こうとジンの首もとを撫でていたが、ふと、聞きそびれた言葉が頭に引っ掛かっていた。
「何が近づいてるんだろ・・・?」
寝ている間、胸元の光が強くなっていたのを知るのは、黒猫だけだった。
「すっかりなついてるな、その猫」
グリンは、魔術指導を受けるために歩く、ウェンディの方に乗っかっているジンの姿を興味深げに見ていた。
「俺は、よく動物と仲良くなれるんだぜ」
そう言ってグリンが撫でようとすると、ふいと首を背けてしまった。
「俺にはなついてくれないのか・・・」
動植物とは仲良くなれる自信があっただけにショックを受けていた。
「ま、まあまあ・・・。・・・あ・・・」
フリッツが腕を組み、仁王立ち状態でいるのが見えた。
二人はクルッと背を向けてしゃがみこんだ。
「グリン・・・あのオーラ恐いんですけど」
「真っ黒なオーラだな・・・」
「殺気に近くないですか・・・?」
「あ、あぁ。ヤベェ・・・コワッ」
二人は、小声でどうするか考えていた。
「対処法その一。気楽に話しかける」
「絶対ふざけてると思われて、殺されますね」
「その二。土下座す・・・」
「何をしてるんですか、先輩?」
凄むような声が聞こえた。いつの間にか真後ろに立っていた。
「は、ははは・・・」
ウェンディとグリンの顔は強張っていた。
その後、グリンもウェンディも数時間説教を受けたことは言うまでもない。
ウェンディ:変な夢、また見たし、怒られたぁ・・・
お、お疲れ様です。で、次回の宣伝?よろしく
ウェンディ:はぁい・・・。えっと?・・・ん?次って出かける??
・・・はいっ。では、次回もお楽しみに☆




