十五章
その日の《魔術》の個人指導は、外での実習だった。
「木の根・蔦を操る時は、こう唱える・・・・・・」
フリッツは、正面の虚空に手を向けた。
「アイヴィ」
すると、地面から蔦が出てきて、フリッツの手の動きに合わせて網状に組まれていた。
「うゎ・・・・・・すごぉい!」
年齢に合わないほど、素直に喜ぶウェンディに、フリッツの白銀の瞳に好奇心が浮かんだが、次の行動にはいつもの教師面より激しい色に変わっていた。
「アイヴィ!!」
ウェンディは、フリッツを手本にして、籠状のものを作ってしまった。
「おぉ、出来た♪」
自分で出来たことに感動したが。
「・・・・・・・・・おぉ〜まぁ〜えぇ〜・・・・・・・・・!」
ウェンディは、隣に殺気に近い紅蓮の炎が燃えているのが気がついた。怖々振り向くと、銀色の目は、炎とは逆に氷河のように凍てついていた。
「・・・・・・えーどうしたんで・・・・・・」
「どうしたんですかじゃない。指示してからにしろと言っただろうが」
フリッツの眉間には、深い皺をついていた。
ウェンディは、低い声で凄まれて、背中には嫌な汗が伝った。
「は、ハハハハ・・・」
ウェンディは、ゆっくり後退すると、誰かにぶつかった。
「おっと。ダイジョブか?・・・・・・フリッツ、ウェンディをあんまり苛めんなよ?」
後ろに現れたのは、グリンだった。
「グリン先輩・・・・・・これは、指導です。・・・・・・で、何のご用ですか?」
フリッツは、今までの怒りは、グリンが来たことで冷めてしまったようで、無表情に戻っていた。
おぉ、と思い出したように指を鳴らすと、グリンは、親猫が子猫の首根っこを掴んでいるように、ウェンディの首根っこを捕まえた。
「ちょっとウェンディ借りてくぜ?今の様子だとある程度は出来そうだからな」
「・・・・・・へっ?」
「先輩、そいつはまだ加減が・・・・・・」
ウェンディからもフリッツからも返事も聞かずに、ウェンディをズルズルと連れていき、あっという間に遠くまで行ってしまった。
「・・・・・・先輩め・・・・・・」
徹底的にしばこうとしたところをちょうど邪魔されて、フリッツは、とても苛立っていた。
その後の授業は、生徒が八つ当たりの対象になったことは、言うまでもなかった。
「どこへ行くんですかぁ?」
ウェンディは、途中で合流したセバスチャンとグリンについていっていた。
「近くの裏山だよ。そこに薬草になる植物が多く生えてるんだ」
セバスチャンが教えてくれた。
「今までは俺らで行ってたんたんが、この間、この時期が旬の薬草が生えてたからお前にも見せてやろうと思ったんだ」
なかば、強引だったのもウェンディに見せたかった親切心から来たことが分かり、ホッとしたと同じに、心配事が一つ出た。
「フリッツさんに後で怒られそうだなぁ・・・」
ボソッと言ったウェンディの言葉にグリンは、苦い顔をしていた。
「あー・・・・・・めんどいなぁ・・・・・・くどくど煩いしなぁ」
「弁解手伝ってくださいよ?」
「あ、あぁ・・・・・・」
渋々な顔で言った。
フリッツ:っあいつ〜・・・!ただじゃおかないぞ・・・。
そ、そんなに怒らなくとも・・・(ていうか、怒りの対象がちょっと違う気も・・・)
フリッツ:うるさいっ!お前も更新早くしろよ!
グサァッ・・・!そ、そう言われても、テストがぁ・・・。
フリッツ:・・・。・・・と、言うわけで、次回もよろしく。
ど、どういうわけぇ?!




