十一章
(ダメだ・・・・・・もう習ってるから、つまらなくて眠気が・・・・・・)
「・・・ふぁ〜・・・」
ウェンディは、教科書で顔を隠しながら、欠伸をしてしまっていた。
「欠伸をした新入り。復習だ。サファルとガサラの国境にまたがる商業道路を二つ答えろ」
フリッツは、すでにすぐ横まで来ていた。
(いつの間に・・・)
「えーっと、中央道と地方道です」
フリッツは、聞いていなかったと思っていた生徒が、答えられることに一瞬驚いて目を見開いたが、すぐに無表情に戻した。
「・・・中央道と地方道は、サファルとガサラのを合計で何本あるとされている?」
「えっと、今現在は、何本かは数えきれていませんが、二百は越えていると言われます」
二度目も答えられたことは、初めてだったため、驚きと苛つきが、顔に出始めていた。
「・・・大陸の南には、海が広がっているが、東側、西側、北側には、何がある?」
「東側には、ギーゼ砂漠。西側には、ナラブ荒野・北側には、ムッヒツ森林が広がっています。因みに、南にある海は、ヤバール海です」
答えられる問題ばかりで、ホッとしながら答えているウェンディに、教師の意地なのか、ただの八つ当たりなのか、どんどん問題を出していた。
「第一次東西戦争の時の両国の王を答えろ」
「ガサラ国はドネーゼ王、サファル国はクァンツェ王です」
「停戦時に記された条約の名前は…」
こんな調子が、様子を見に来たアレニウスが来るまで続いていた。
その時、ようやく退屈なあまり、他の生徒が、ほとんど寝てしまっていたことに気がついたのであった。
休憩となった為、テントの中には、アレニウスとフリッツだけになっていた。
「団長。彼女は何者ですか?今日教えていなかった問題すら解けているし、庶民の初等教育的なものよりも何倍も知識を持っています」
「やはり教育については、されていたのかの・・・・・・。フリッツ、あの子には、魔術の知識しか教えることがないかもしれぬぞ」
「・・・と、おっしゃいますと?」
「諸事情で、普通科目は分かっている。だから、彼女には、魔術を教えることに重点を置くと良いと思うのお」
「・・・分かりました。明日から、普通科目は休ませて、魔術は、補習付きでやらせます」
淡々と答えたフリッツは、ウェンディについて少し興味が湧いてきたようだった。
「・・・・・・疲れた」
ウェンディは、級友が子供らしく外で遊び回ってる様子を見ながら、草原に座っていた。
「ウェンディおねえちゃん!一緒に遊ぼっ♪」
ふと横を見ると、女の子が太陽のような無邪気な笑顔で、遊びにさそってきた。
「えぇーと・・・・・・」
「お姉さんは、お疲れみたいだから、遊んでおいで」
返答に困っていたウェンディの言葉を若い男の声が繋いだ。
「・・・え?」
声のあった方、女の子の反対側を見ると、少し茶色の入った黒髪の年齢としてはウェンディより一、二歳若いぐらいの眼鏡をかけた男が、女の子に微笑んでいた。
「分かった、アレックスおにいちゃん♪」
女の子は、手を振って子供たちの輪に戻っていった。
アレックスと呼ばれた男は、女の子が見えなくなるまで笑顔で手を振り返すと、そのままウェンディを振り向かずに立ち去ろうとしていた。
その反応にウェンディは、驚いた。
「ちょ、ちょっと待って!」
ウェンディの声に止められた若い男は、先ほどまでの女の子に向けた笑顔は全くなく、眼鏡の下の黒い目は、不機嫌さをかもしだしていた。
「・・・何か?」
棘のある冷めた言い方に戸惑ってしまったが、ウェンディは、言うべきことは言わなきゃと思い、口を開いた。
「さっきは、ありがとうござ・・・」
感謝の言葉を言おうとしたら、遮られた。
「別にキミを助けたわけじゃないから」
「へっ・・・?」
「ボクは、ただあの子に教えてあげただ。それの何が悪い」
ウェンディは、上から目線の噛みつくような態度に戸惑っていた。
「ボクは、君が一番年上だってことは認めないからなっ!!」
「・・・はぁっ?!」
本日二回目の宣戦布告だった。
作者:今回は、いろいろ大変だったね、ウェンディ。
ウェンディ:えぇ、そうなの・・・ってここ何?・・・えっ?後書き?あぁ・・・いつもアランが、やってるところね。
作者:ウェンディ大好き(シスコン)なお兄ちゃんは、置いといて・・・。何だかんだ、NEWキャラから、ライバル視されてますが、ガンバッテクダサイ☆
ウェンディ:は、はぁ・・・。あ、みなさん。感想お待ちしてます。




