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ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む  作者: 紫楼
三章

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140話 子供たちに囲まれて

「おくしゃま!わかおきゅしゃま!いらっしゃいましぇ〜!!」

「っしゃいましぇ!」

 子供達に続いてまるまるふくふくな幼児がワラワラとお義母さまに集まって来た。

 可愛いが渋滞してノックアウトですよ。

「おひぃしゃま?」

「はなよめしゃまにゃー」

 めっちゃ可愛い。ポテポテ歩いていてかぼちゃパンツのお尻がモコモコぷりぷりしてるぅ!

 私のこと、お姫さまとか花嫁さまって言ったのかな。


 普段おっきいおじさまとお兄さんばかり見ているからこのプリティな空間はとっても可愛いすぎる〜。

 癒されるねぇ♡

 ふと視線を感じて振り返ると8歳くらいの女の子たちが私を見てた。


「あら、お花をくださった子たちね」

 お花の冠やコサージュ、ミニブーケととっても可愛くて素敵な贈り物をくれた子供たち。

 まだアイテムボックスに入れたままだけど、クローゼットに保存機能付きのケースを作って棚に置いて飾るんだ。

「お嫁さま!今日もお姫さまみたい」

「花嫁さま素敵だった!」

「今日のお洋服も綺麗!」

 女の子はやっぱりお洋服が好きなんだねぇ。


 今日もお義母さまが用意してくれた中からニーナたちが厳選した可愛いパステルピンクなワンピースドレスなの。今思うとニーナは予定を聞いてて今回のお出かけ向きの衣装を選んでくれただんだね。

「さぁさ、お前たちはお部屋にお戻り」

 小さな子供たちをお母さまたちが屋内に移動させる。

「まずは畑を少し見せてもらうのよぉ」


 お義母さまが少し大きな子供たちにエスコートされて畑に向かう。

 私は安定のアランの抱っこ。

 子供たちが歩いてるのに……

「お姫さまはやっぱり大事大事なんだねぇ」

「だねぇ!」

 うう!可愛い男の子たちに「ねぇ~」って首をコテンとされた。

「アラン〜歩きたいよ」

「足場が悪いからダメです」

 ええ〜、舗装なしで少し石が転がってる程度だし、子供たち歩いてるから大丈夫だよ!


「ここらが子供たちも収穫が出来るエリアですけぇ」

 案内をしてくれてる少しゴツいおじさんたちがすでに作業をしてる人に声をかけて私たちが見に来たのを伝える。

「魔の森の魔素が濃い場所で見つかるようなものはもっと奥に配置してますんじゃ」

 ほほう、危なくないように配慮されてるんだ。

「今にところ見かけない魔獣が出たなどの報告はないですけ」

「そうなのねぇ、畑仕事が安全に出来て良かったわぁ」

 お義母さまがにっこり、おじさんもホクホクのお顔だ。

 うん。居住区が魔の森化したら困る。


 ビュンビュン!

「!!!!???」

「ギャ!」

「やった〜肉だ〜!!」

 デジャヴ再び。

「これぇ!お客さまがいらっしゃる時はモノ飛ばしちゃいけん!」

 おじさんがカンカンになって逃げる子供を追いかける。

「ごめんなさい〜」

「オヤツ大事だ〜!」

「いつでも出るやつじゃ!」


 子供たちがクワみたいなものを投げたみたい。

 少し離れたところにウサギくらいのサイズの獣が倒れてる。

「さすがグレーデン。子供も咄嗟に動けるんですね。将来が楽しみですね」

 リックさまが感心してる。

「でしょうでしょ〜う♫」

 お義母さまはそんなリックさまに嬉しそうに相槌。

 顔の真横にクワ飛んできた私はそんな気分にならないよ!

 お見合いに来た令嬢たちが逃げたのが何故かちょっと分かった気がする。


「このくらいなら子供達でも簡単に狩れるんでこの畑は安全なんですじゃ」

 ちょっと冷や汗かいてるおじさん。私は怒っていないよ。

 びっくりしたけど、サーキスさまもチェイスさんも投げて来たからグレーデンでは普通だって知ってるよ!

 私より小さな子たちもすでに狩人になれそうなことは知らなかったけどね!!

「やはり生活環境は将来に関わりますかねぇ」

 生活と自然の中の教科書に勝るモノは無いよね!

 子供たちは各々畑に散らばって収穫を手伝ったり、さっきみたいに獲物を狩ったりしてる。

 楽しそうでなにより。


「王都の子供達がクワを投げてきたら困りますけどね」

 獲物がいないところでやったら猟奇殺人の犯人みたいじゃん。

 泥棒を捕まえたりなら良いんじゃない。まぁ投げるのは石礫くらいで。

「リーシャちゃん、あっちはお米用の畑よぉ」

 少し先には黄金色の畑!畑!!

 水耕栽培じゃない!だと⁉


「……」

 陸稲は初めて見たな。

 ここの気候ならこれで正解なのかしら。

 ご飯美味しいし、良いのかも。

 地下水が豊富ならいいんだっけ?

 今後、育ち難いとか味が……とか気になるようなら提案してみようかな。

 と言っても田畑に詳しくないけど。


「金色の畑って壮観ですね」

「豊作な感じで気分がいいでしょう?」

 確かに枯れ地や未開地がいっぱいなグレーデン領がこうやって開拓されていくの気持ちいいな。

「王都の近隣でもここまで肥沃ではないですよ」

 逆に都会なんて農地が少ないんじゃないかな?

「魔の森に侵蝕されない大地は王都の食糧庫の役割があるんです。グレーデンは大地に栄養が無いと思われていたし魔の森のせいで拡げにくかったのですよ」

 魔の森ってやっぱり普通の人には扱いにくいんだねぇ。ここの人たちは大喜びで狩りに行くんだもの。


 危なくない畑を一通り見回って、お昼ご飯前に最初の工場?に戻った。

 中に案内されるとちっちゃい子供たちが一ヶ所にお母さんたちと集まってま豆のサヤを取ったり、木の実の種を取り出したりしてた。


「あら、お手伝いしてくれるのねぇ」

 お義母さまがその中に入っていって子供を抱き上げる。

「今日は特別に山菜炊き込みごハーンを用意してもらったわよ〜」

「ごハーン?」

「なんだりょ〜」

 なぜかお米のご飯が〈ごハーン〉に定着してしまってる。

 

 うちのコックさんたちが数人こっちに出張してくれていて、お昼ご飯を用意してくれてるらしい。

「ここで作った物がどんなに美味しいものになるか知っておいた方が楽しいでしょう?」

 野菜をたっぷり使ったスープと大麦パンとかもすでにここでは当たり前に食べれるようになってるみたい。

「おうちで食べるよりもここで食べた方がおいしいからお仕事がお休みのほうが辛いのよねぇ」

「違いねぇな!」

 うわぁ!ちゃんとお休みは取りましょう!


「息子が兵舎のご飯うめぇって自慢すっからよう、こっちは新鮮野菜じゃって言うてやるんじゃ」

「もう!兵舎にも使用人棟にも毎日新鮮なものを運んでるから食材は一緒よ!」

 ルルゥがそう言うとみんなで笑った。

 食事が楽しみなのって良いよね。

 みんなが笑顔で幸せそうなのが嬉しい。


「では恵みに感謝を!!」

 みんなで思い思いに手に取って食べる。

 ここの人たちもよく食べるんだろう。テーブルの上に色々山盛り。

「ごハーンうまい!」

「きにょこうみゃい!」

「米って色々作れんだなぁ」

「きのこって森にいっぱいあるあれ?」


 あ、毒キノコの存在を周知しないと危ないかも!

「きのこは危ないのもあるので見分けのつく人しか採らない方がいいです」

「そうなんですか⁉」

 葉っぱも全部が食べれるものじゃないって知ってるだろうから納得はしてくれるはず。

「今食べてるのは〈鑑定〉で美味しいって出た種類を見本で見たことがある人が採って来てくれたんでしょう、採取に行きたい人はまず一緒に行って教えてもらってくださいね」

 ここの植生のものは色が毒々しいとか関係なくみんな派手な色だったりする。赤いからとかでは見分けができないよ。

「なるほど!それなら普段から森に行く連中に任せた方がいいな」

 すぐに確保に動くのもここの人の特性かな?それともこれが普通なんだろうか?

 私はメグミの時も今もそこまでガッツがないよ。

  

 食後は少しまったりタイムがあって、みんなはそれぞれのペースで仕事に戻っていった。

 子供たちは大きい子から小さい子までお留守番。

 10歳以上の子たちは自分の気分で行くか行かないか。

 今日は私たちがいるのでほとんど残ってるらしい。


 お義母さまもニーナたちもかわいい子供たちにメロメロのホワホワだよ。

 もちろん、私も幸せ気分。




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