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ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む  作者: 紫楼
三章

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139話 ポムの種が実ったみたい

 部屋に戻ってお風呂入れてもらって。

 私がずっと微妙な顔してたっぽいからかジュリアスさまがポンポンと背中を叩いてくれてる。

 んー、領地を貰うのは無茶な手段じゃないみたいだからいっか?価値観も感覚も日本人の私には理解できないよ。

「父上達が言い出した時はほぼ確定だから」

 諦めたようなため息を吐くジュリアスさまは、現在グレーデン家で一番偉い人なのに中間管理職みたいな感じだね!世代交代をしてもお義父さまの立場は絶対だもの。

 私も力を込めてハグしてジュリアスさまのお背中をポンポンする。


「……アッガスの海は手に入れた後も調査を入れなくてはならないから、ルークは当面はカマランに行くだろうな」

 なんだって!

 頻繁に海に行くなら海苔とかウニとか潜る必要のあるノーマルサイズなのもワンチャン見つかる可能性あるね!

 新婚旅行は魔獣がいない海が良かったな。でも交流が無いところだと行きにくかったかな?

「もしグレーデン領になったらアッガスに行ってみたいです」

「そうだな」

 潜らせてはもらえないと思うけど。探してもらうのことは出来るはず。


 そんなわけでいつもの穏やかな、筋肉に包まれた夜でした!


 翌朝はジュリアスさまに抱っこされて厨房に移動して、ルルゥに青い豆を水につけてもらって、お餅も用意して欲しいと伝えた。

 他にも味見した豆の中で黄緑のお豆が遠くの方に栗がいた気がしたのでおはぎの仲間にしようと思います。

「今日は豆料理を作るのか?」

「甘いおやつになる予定です」


 お豆は栄養もあるし色々使えるから好き。

 あ、ニガリを作ってお豆腐も作らなくちゃ。

 おからクッキーとおからドーナツも好き。

 そう考えると海が手に入るのはかなり良いかも!セリウスさまには是が非でも頑張っていただきたい。

「他のお豆は使えないのぉ?」

「甘味とホクホク感があるのがいいの」

 ルルゥが他の豆にも可能性がないか考えてる。味見したものを全部の特徴を覚えてるのかな?


 私はこし餡であんころ餅が好きだけど今日はおはぎなので粒あんを気持ち潰して使うよ。

 あ、ぜんざいも欲しいから半分はつぶそう。ニックス達がだけど☆

 下拵えを頼んで朝食に向かう。

「リーシャちゃんおはよう〜」

「おはよう〜」

 お義父さま達がすでに勢揃い。

「ではいただこう」

 今日はピザとチャパティっぽいものを中心に置いてある。お肉は相変わらずてんこ盛り。毎日どれだけの魔獣を狩っているのかな。

「あ、リーシャちゃん、今日は私に付き合ってね。お勉強はお休みって伝えてもらったからねぇ☆」

 おや、お義母さまったらもうマダム・シフォン呼んじゃったのかしら?

「ポムの畑が実ったから人手が足りないみたいでねぇ。私が子供達を見るのよう。リーシャちゃんも付き合ってねぇ」

 収穫の方じゃなくて子守の方をお手伝いなんだ。お義母さま、畑仕事は流石にしないよね。

「ポムの畑ってそんなにも実ったのですか?」

「成長が早いし実もたくさんでうれしい悲鳴が届いてるわぁ」

 離れのナードとバニラみたいに何かしたのかしら?

 ポムとティムが褒められたのが分かってるのか胸を張ってる。お口パンパンでお腹もポンポコリンでちっとも威張れていないよ。

 いつの間にか食堂にいてちゃっかり食べてるんだよね。せっかく作ってもらった小屋に全然いない。


「ティム、それどうしたの?」

 ティムのそばに籠が置いてあって大きな卵が入れてある。

「これ以前もらったオオルリインコの卵なのよう」

 ちょうど追加の料理を運んできたルルゥが教えてくれた。

「もっと小さくなかった?」

「なぜか大きくなってるのよねぇ?」

 ルルゥが不思議そうに首をかしげている。

 卵は実は旅行にも持って歩いていたらしい。生まれる兆候がないからポムたちの小屋に預けて旅行に出たのにカマランでの合流時に持って来ていたらしい。

 ポムたちこっそりついて来たくせにすごいな。


「まだまだ産まれないの?」

「さぁ?私も卵を育てるのは初めてだからよくわからないけど動いてる感じもないわねぇ」

 魔力?生命エネルギー?みたいなものは感じるから生きてるとは思うのだけど不思議だねぇ。

 ティムが運べないサイズになってきたから籠に入れて人気のある場所に置くようにしてるんだって。

「焦って出てこなくてもちゃんと育ってから出て来た方が良いよね」

 綺麗な宝石みたいだった卵はほのかに暖かい。どんなコが生まれてくるのか、ワクワク感を醸し出すねぇ。


 食後のお茶の時にルルゥにおはぎとぜんざいのレシピを伝えた。今日は一緒に見てられないみたいだし。

 ジュリアスさまたちがお仕事に向かって、私たちも馬車にって思ったらリックさまがやって来た。

「私もグレーデンを見て回りたいので」

 おふぅ!外でもお勉強みたいな気分になるよ!

 一緒に馬車に乗ってお出かけです。

 リックさまは馬車の乗り心地に驚いたけど〈浮上〉〈重力軽減〉の魔法陣のことはお義父さまから聞いて知ってたようなので「なるほど……」って納得してた。


「ここは自然がいっぱいで良いですね。魔獣さえ出なければ住み良い場所です」

 リックさまがお義母さまに、こちらに来てから思われた感想を漏らす。

 魔獣が闊歩したりはしてないけど、いざとなると顔の真横にナイフが飛ぶよ☆

 騎士さん達が駆逐してくれてるから住む分には良いと思うんだけど、自衛が出来ないなら住むのは躊躇うかも?

 しばらく馬車を走らせてたら人の声が聞こえ始めた。

 畑の横を通ったみたいなので少し窓から覗くと確かに豊作だ。

 おっきな実がたわわ。

「ほぉ。グレーデンは大麦や飼料は多かったと思いますがこうした野菜類が豊作の印象はなかったですね」

「そうねぇ、森の中まで行かないと手に入りにくかったものが多かったわねぇ」

 普通の森と魔の森で領内分の食糧を採取してくるのって大変だったよね。

 グレーデン領民のよく食べる胃袋を満たすのは大仕事だよ。


「だから基本は肉ばかりだったのよぉ」

 塩味だけで!そりゃルルゥみたいなアレンジできる人いないと厳しい!

「都会の野菜は苦いから肉だけの方がマシだったでしょうがね」

「そうねぇ!こっちに来て多少お野菜も食べられる味に感じたけど好きではなかったわねぇ」

 確かに、王都や王都の近くで食べた野菜はえぐみが強かったなぁ。

「都会では肉を獲る方が大変なんですがね」

 畜産って都会じゃやれないだろうし、魔の森まで狩りに行くほどの腕前の人も少ないんだろうねぇ。

 そんな話をしてたら目的地に到着したので馬車を降りる。


 畑にいた人たちや工場?で作業してたらしき人たちが集まって来てお出迎えしてくれた。

「「「「ようこそ」」」」

 ガタイのいいおっちゃんや貫禄のあるおばさま、威勢のいいお姉さんたちがたくさん集まってきて。

 一緒に私より小さな子達がたくさん出て来た。


 グレーデンに来て婚姻式以来出会えてなかった自分より小さな子達がいっぱい!


 小さいけど健康的で体格が私より良いかもしれない。なんてこった!


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