135話 炊き込みゴハーン
ジュリアスさま達が帰宅するって先触れが来たってと報告をもらったので玄関ホールまでダッシュしようと思ったら、ジェイクがスッとやって来て抱っこで運ばれたよ。
私のスピードじゃ間に合わないからみたい。ちぇー。キックボード使わせてくれたら良いのにね!
「ジュリアスさま、セリウスさま、おかえりなさい~」
なんとか間に合って玄関ホールでお出迎えできた。
「ただいま」
「ただいま~」
半日ぶりのジュリアスさまに抱っこされてお部屋にリターン。
「ポムの種の畑だが、通常より成長が早いらしい」
ふぁっ!ブシの木も⁉
「流石に種からだからまだまだ実は無理だがな」
そうだよね。苗からや植え替えた成木とかじゃなきゃ実までは遠いね。
「ナードとバニラは離れの庭でポム達が何かしてくれてたくさん採取が出来るようになったんです」
「!?」
そういえば離れに植えちゃったけど魔の森産じゃないからセーフ?
魔力入れちゃったけど☆
「さすが地の精霊の加護ということか」
びっくりだよね。
ジュリアスさまが眉間を揉み揉みしちゃってる。お疲れ様でっす。
「蜜ミツバチも少しずつ畑に現れてるそうだ。母上が畑に見に行くようになったそうだ」
ほえー!ゴージャス貴婦人が食用の花畑で蜜ミツバチの観察はちょっとシュールだね。
「森に探しに行くにも必ず見つかるわけじゃないから巣ができるのはかなりありがたいな」
蜜蝋も欲しいし、お手軽に蜂蜜が手に入ったらいいね。
ジュリアスさまが着替えを済ませたので、一緒に食堂に向かう。
お義父さまとお義母さまってば、ケーキが焼けた頃からずっと食べてたんじゃ。
クラウスさまとセリウスさまも入ってきて、テーブルを見て苦笑い。
「確かに美味しそうな匂いが充満してるけどどんだけ食べてるのさ~」
「だってぇ!今までよりさらに美味しくなるなんて想像出来て⁉」
お義母さまがカスタードクリームをふんだん使ったと思われるプリンタルトをクラウスさまに見せつける。
「モッモ・・・キュ」
「キュ!キュウー」
クッキーにもバニラ使ったみたいでポム達が球体のようになりながら必死に口に入れてる。その体どれくらい伸びるんだろ?
「ほれ、さっさと席に着いて食べるんじゃ」
お義父さまの声を合図にすぐさま給仕が開始される。
サラダ、スープ、お肉と魚と。
たけのこステーキと炊き込みご飯。
「うわぁ、味が染みててうまいね~」
「イェンゲおかわりぃ」
セリウスさまたちも夢中になって食べ始めた。
アズライトもいつの間にやらいて、パバブとラー油を添えてもらって食べてる。
ジュリアスさまはご飯を噛み締めるように食べて。
「ほう、これがリーシャが寝言でよく言うタキコミゴハーンという食べ物か。確かにうまい」
「!!!!!?????!」
え⁉
「寝言?」
「うむ。よく食べ物らしき言葉を出している」
ガーーーーーーーン!
「・・・他にも何か・・・?」
「まぁジュリアス、寝所での言葉は外で言っちゃダメよぅ。でも食べ物のことだなんてリーシャちゃんらしくて可愛いわね」
お義母さまがコロコロと笑う。
おぼわぁー!
「寝言など誰でも言う。気にする事もないのではないかのぅ」
お義父さまもフォローなのだろうけど、恥ずかしいことには変わりないよー。
「クリゴハーンとテラミシュというのも気になってるんだ」
「まぁゴハーンはまだ種類があるの⁉」
「テラミシュとはなんだろう?」
どんだけ食べ物のことを口走ってるんだろ。
腐女子発言とかじゃなくてよかったね!?
「まっそる?きんぐじゃも?も気になってるんだ」
ギャァ!私のライフが削られていく。
ジュリアスさまのバカーーーーーー!
「あとハチマタユルスマジーというのはどういう意味だろう?」
あははははは。
「ナンノコトデショウ・・ネ・・・」
マジか。寝言怖い。
「兄上~、寝言の全部に意味があるわけないじゃん~」
クラウスさま!助け舟をありがとう。
「そうなのか。蹴りが飛んでくるからなんだろうと気になってたんだ」
!!!???
「まぁストレスかしらねぇ」
「そうなのか?リーシャちゃんまた馬にでも乗せてやろうの」
寝相まで悪いんだ。自分にびっくりだ。
「ん?気にせずとも良いぞ。俺だって上掛けを蹴る」
んんー、もっととんでもないこと口走ってさらに蹴ったらどうしようってなったんだよぅ。
「兄上、そういうのは黙ってないとダメじゃん。モテないよ」
クラウスさまに言われてジュリアスさまはきょとんとした。
「そういうものか?モテないのは別に構わないがリーシャに嫌われるのはダメだな、リーシャ、すまん」
「・・・いえ、寝相は教えてもらった方がいいかな・・・」
「リーシャの小さい足なら痛くないから気にしなくて良いぞ。ただストレスとかなら教えて欲しい」
ストレスかどうかは自分じゃわかんないよ。
「ま、クリゴハーンは超期待してる~」
セリウスさまがマイペースに締めた。
食後にまたケーキ類が出てきて。
お義母さまがまだ入ることに驚愕したけど、やっぱりバニラビーンズが入ったお菓子は美味しくて幸せ。
「はぁ、更なる高みに来ちゃったね!このお菓子、陛下が食べたらもう王宮に帰んないんじゃないー?」
クラウスさまが笑うけど、わりと本当にそうなりそうなのでやめてほしい。
「バニラは干したら日持ちするんで広めたら良いんじゃないですか?」
って私が言ったら、ポム達が飛び蹴りしてきた。
ジュリアスさまが庇ってくれたけど。
「モキュウーキュモキュキーーー!」
「プキュキキュキーーキュキュキィーーー!」
めっちゃ抗議をされた。
どうやら自分たちの取り分が減ることは許されないらしい。
「ならば新たに採ってきて別の畑に植えたの分ならば良いか?」
ジュリアスさまが妥協案を出すとポムとティムが何やら会議をしてOKを出した。
離れの分は絶対にダメなんだって。
「相当好きなんだね~」
ナードのタルトを頬張りながらクラウスさまがポムのほっぺを推してる。
やっぱナードの色はすごいよ。ピンクのケーキになっちゃって。
すごい色で思い出したんだけど青い色の小豆もゲットしてたんだった。
苗は多分すでに植えてくれてるはず。ルルゥが覚えてるだろうし。
色々衝撃が多すぎて、せっかくの美味しい物なのになんか食べた気がしないよ。
食後のお茶を飲んでお部屋に戻ったらニーナ達にお風呂に入れられて。スペシャルマッサージをしてもらって。
いつも通りジュリアスさまとベッドに。
寝言と寝相・・・
いつもがっちり抱き込まれてるの寝相対策だったんじゃ。
「ん?」
「・・・」
どっちも意識的に治せるものじゃないので諦めるしかないね。とほほ。
「おやすみ」
いつもの如く優しく抱き込まれ、背中トントンされながら就寝。
ジュリアスさまのデリカシー無し男~。
ちょっぴり恨めしく思いつつマッチョな胸筋に癒されて寝ついた。




