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異世界のひと  作者: くものひと


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92/94

知ってしまった彼女

この世界で私がやってはいけない事

彼はあんな化け物になって

最初の時もあの時も、私達は助けられて

彼はその代償を今も払い続けている


私のせいだった


みんなに謝って私はその輪を抜けた


隣を歩く子犬がじっと私を見つめる




店舗の候補となる建物の下見に同行した

どうせならこの世界をとことん楽しんでやろう

そんな気持ちでみんなと出かけた

領主様は別の考えがあったみたいだけど、別段私達を止めるわけでもなく協力してくれる


私達の武器は向こうの知識だ

それも成功がほぼ確約されている

みんなが大好きな美味しいものや可愛いもの

きっと領主様だって喜ぶ筈だ


ここが良い、あっちが良い

何を売ろう、内装はこうしよう

そんな楽しい帰り道

狭い路地に横たわる一匹の子犬を見かけた

思わず駆け寄る

母犬に放棄されたのか痩せこけていた

呼吸もか弱い

もう今すぐにでも止まるだろう

みんなも私の背中越しに子犬を心配している


私は子犬を撫でる


(!………お疲れ様…ゆっくりおやすみ…)


もう動かなくなった子犬を見つめる


偶に見かけるキラキラが子犬からフワッと溢れた様に見えた


私はそれを見つめる


きっとこの世界はこうやって循環しているのだろう


…


……?


キラキラはその場に留まり形を作る


目の前で動かなくなった子犬そっくりに


この世界で、私なのに見なかったモノ


ノアちゃんは言った

キラキラを見れる人はこの世界にもいると


でも私と同じ人はいなかったんだろう


だからこの世界はこんなにキレイだったんだ


あぁ…


ごめんなさい…!


私が君を見てしまった…!



ああぁぁァあアァあアアァァァ!


ごめんなさい!


どうしよう!!


わたしがあのひとをばけものにしてしまった!!!

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