決して揺らぐ事のない決意の私
間違いなく間違っている
伸ばした髪をバッサリと切り
ピアノを弾く大事な手にマメを作って剣を握る
私も千歳さんや綾乃さんの様に店舗経営にまわれば、まだ両親も不承不承ながらも納得してくれるだろう
それともピアノの構造は理解しているのだから職人様の手をお借りして、この世界にピアノを誕生させる事こそ私らしい使命と言えるかもしれない…しかし…ん?
(ピアノの方が良いか?………いえ!駄目です!)
ブンっと邪念を剣で振り切る
小さい子が私達の手を引き
やつれた顔に無理矢理笑顔を貼り付け
荒れてボロボロになった小さな手
申し訳なさそうに握りしめられた一房の野草
私はあの野草の味を一生忘れない
ノアちゃんやアンナさんが私達になにを求めているかは分からないが、守られ続けるなんて事は私には無理だ
アンナさんの通訳を介して領主の方や騎士の人と面談する
私達の存在は使徒と呼ばれ、力を得る素質があると言われた
最近でもその実例があるそうだ
モンスターをと言われ、あの森へ行くのかと聞いたら違うと返ってくる
冒険者ギルド?の人達が何人も調査に向かったが深く入った人は誰も帰って来なかったそうだ
私達は剣の扱いを覚えたら南へ向かう予定
騎士の人に虫や植物に愛着を持つかと聞かれ、とんでもないと答える
その答えに何やら内輪で相談し出したのでアンナさんに視線を移すが口を結んだままだった
「あの…虫や植物のモンスターとか嫌ですよ?…アンナさん?」
アンナさんは優しい苦笑いをしたあと、私の意思を伝えてくれる
騎士の人が固い表情で答える
「善処します、だそうです…」
わぁ〜凄い、そんな言葉もご存知なのですね
『善処します』だなんて…
え?




