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異世界のひと  作者: くものひと


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幼い頃に見た父の勇姿を再現する男

正座とは我が国の文化において、他者やその場に対して敬意を示し失礼のないように配慮した作法である


ここから発展型として上半身を前方に折り曲げながら両手の指と腕をできるだけ美しく伸ばして上半身を支えるように手を並び揃えて地面に置く

その姿勢から大地を割らんばかりの勢いで頭部を激しく振り下ろし、相手の鼓膜を破るつもりでこう叫ぶのだ



「すいませんでした!」



 「…それ…は、いったいどういう…いや、なんとなく意図はわかりますが…」



流石我が国伝統の必殺技『ザ・ドゲザ』、異世界&異国の騎士にすら効果抜群だ


実に誇らしい


あんなに怒りに満ちたバルドさんも、僕のこの高潔で真摯な姿勢に冷静さを取り戻さずにはいられない

ジャンピングドゲザやスライディングドゲザという高難易度技も今の僕なr「とにかく…」


 「…我々と共にする間はどうか軽率な行動はお控え下さい 我々は皆様の自由を縛るつもりはありません いずれ城を出る事があっても我が主は万全の備えをもって送り出すでしょう しかし今は自由より必要な事が多くあると思われます 先ずはどうか我々を信じて自重して頂きたく…」



土下座の良いところはこの姿勢さえ保てば長い説教を聞き流していてもバレない事だ

無心の境地に達した真顔の僕の表情を見ているのはこの小さな虫さんくらいだ

おでこを地面に預ければ謝意の最大値を稼ぎつつ、このまま眠る事だって不可能じゃなi「聞いておられますか?」


チッ感の良い…


「聞いてます!」



思わず顔をあげてバルドさんと睨めっこ

見よ、この誠実でウルウルとした我が瞳を

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