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異世界のひと  作者: くものひと


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母と男

喜び 困惑 悲しみ 怒り


モンスター


なのに でも だって


僕の頭より大きな眼球が目の前で感情を揺らす


お前が喰った お前が生かした お前はなんだ


そう言っていると思う


野良の子はやっぱりちょっと臭う


今動けばあの牙についた肉片のお仲間入りだ


無理やり触ろうとすると怒るだろうな


僕も眼球を見つめる


悟りは開いてないし命は惜しい


けどこのまま喰われてもそれはそれでしょうがないかなって心境だ


あの日からずっと捜していたのか


だって君の大事な子供だったんだもんね


ごめんな こんな形で帰ってきて


ほんとうに


ごめんなさい






去っていく彼女の後ろ姿に、自分の母の姿を重ねてしまった


向こうで僕はどうなったのだろう

僕の死を忘れてくれただろうか

行方など捜さず諦めてくれただろうか


もう帰れないのならせめて

お願いだから神様

どうか…どうか…

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