保護してもらう彼女
ロックハント領の西、領境の近くの町コーンウェル
私達を出迎えてくれたのはその町長の息子さんと衛兵さん達だ
「おじさんってやっぱり凄い人なんだね〜」
「ぜ〜んぜんだよ〜」
サイズ感のおかしい馬の上で胡座をかくおじさんを馬車から見上げる
いつもの事というように堂々としており、迎える町の人達の表情も明るい
到着したのは町長さんの自宅で立派な館
「歓迎してくれているよ、しばらくはここに滞在してくれってさ 君達が襲われた事情はなんとなく察しが付くけど、この町の人達はそんな事しないから安心して良いよ」
「おじさんはどうするんですか?」
「僕も今夜はお世話になって、明日家に帰るよ」
おじさんの家は出会った場所からこことは逆方向とも言っていい街にあるそうだ
どんなに感謝してもしきれない
館へ入る時にゴーレムも付いてこようするが巨大な馬の姿の為、ノアちゃんが制止する
ふっふっふ…とおじさんがイタズラをする少年のような顔で笑う
そしてコンコンとゴーレムをノックすると、胸と首の付け根辺りから見慣れたノアちゃんのゴーレムの姿が形取られピョンと飛び降りる
合体変形は男のロマンとのこと
満足げなおじさんとは裏腹に、ノアちゃんは相変わらずなゴーレムの姿を見てなんかビミョーな顔をしていた
まだなにか説明しようとしてたけど町長さんの息子さんに促されて館へと入る
招待された夕食の席では町長さんと息子さん夫婦、そしてその子供達が同席して紹介された
ノアちゃんと同世代であろう子供達を見ると、ノアちゃんは凄いなぁと実感する
今おじさんの隣の席で改めて紹介を受けているのは、今後の私達との通訳の為の計らいだろう
私達も境遇に甘えずもっと言葉を覚える努力をしなければならない
食後におじさんは町長さん達とお酒を飲み、私達は用意された部屋のうちの一つに集まる
ノアちゃんが聞いた話では、ロックハントから遠征している騎士団が補給の為にこの町に寄る予定があるそうだ
その時に帯同できないか町長さんが確認を取ってくれる事になったらしい
翌日の朝、おじさんは朝食をとってから出発した
紬ちゃんに少し真剣な顔で注意とアドバイスをすると、フワッと足が石畳を離れる
私達の感謝と再会の言葉を笑顔で返すと、ひらひらと手を振り上空へと浮かび上がる
そして方角を確認するおじさんは南西の空を目指す
私達はおじさんの姿が見えなくなってもなお、その空を見つめて見送った




