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異世界のひと  作者: くものひと


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見守り微笑むあーし

 「ふ…ふぉおおお!」


紬ちゃんが奇声をあげる

ずっと一歩引いた感じの子だったから、こんなにハイテンションなところを見るのは初めてでちょっと面白い



暗くなる前に戻って来たノアちゃんが途中で採ってきてくれた野草と、おじさんが狩って来てくれたウサギや鳥を捌いたのが晩ごはん

その食後におじさん持参のハーブティーを飲んでいたら、紬ちゃんが土下座しそうな勢いでおじさんにあるお願いをした


そのお願いが叶った結果が奇声をあげる紬ちゃんだ


おじさんは魔法使い

魔法使いなおじさん

絶望的で死にそうになっていたあたし達を、お伽話の様に助けてくれた

何もない空中から水を出したり、岩陰に簡単な岩風呂を作ったり、あたし達が着ていた服を洗濯乾燥したり、お風呂から上がったあたし達の前に焚き火と石の鍋と木の食器が用意されていたり…

一家に一台おじさん状態だ



おじさんが紬ちゃんの額に人差し指を当てて何度かやり取りした後、透明な何かを包む様な紬ちゃんの両の手のひらの中に小さな水の玉が現れた


 「ふぁあああ…」


今度は奇声というより感嘆のため息をする紬ちゃん

とても綺麗なもの、とても大切なものを見ている様だった


あたし達も試してみたけど、結局できたのは紬ちゃんだけ


おじさんに『魔法使いの才能があるよ』と言われた紬ちゃんは、まるで赤ちゃんみたいに泣いていた

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