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異世界のひと  作者: くものひと


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24(−8)

少し時間が戻ります

森を離れ草原を進み、ようやく道に出る

馬車は自分達を逃がそうとこの道を進んでいた

詳しい話を聞いていない為、ここがどこでどの方角に進めば良いかわからない

このまま進むのが正解なのか

しかし、この道を歩いていては追っ手に見つかるかも知れない


あの森は彼がいた…恐らく彼だ

なら自分の知っている森のはず


だがその森は広大だ

自分が知っているのはいつもの散歩道と家と街を繋ぐ道

太陽の進み方で方角は分かるが家に近づくのか離れるのかが判断できない


私は母の娘であり、ご先祖様の意思を継ぐ者なのだ

皆様をこれ以上不安にさせてはならない


馬車と同じ方角へ

少なくとも逃げることが最優先だ

しかし道を避け草原を行く

恐らく今夜は野営になる

道から死角になる丘や岩場を見つけるべきだ




夕刻前に適当な場所を見つけ皆様に休んでもらう

その場所に魔物よけを施し、私は道に戻る

この日の傾きに、人が通る可能性は薄い

来た方向からは追っ手として警戒し、行く方向からはなんとか情報を得たい

途中で動物でも狩れれば上々だ

いや、それより水が必要だ


固く棒になりそうな足をさすり、鈍る思考に頬を叩いて気を入れ直す


頑張れ、私は母の娘なのだ


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