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その巨躯はともかく、姿形は随分とヒトらしくなった
手も貸したし、適当に誘導してやれば後は勝手に元来た場所へ帰るだろう
時々に話しかけてやればもう少しはマシになる筈だ
彼の行く先に町や集落が無いことを願いつつ、巨大な影を見送る
「なんだアレは」
ルディ君の近くに降りると早速の質問を受ける
「予想通りあの森からの使者だったよ」
「使者…とは…?」
「まどろっこしい言い方だったねぇ あの森にいるバケモノ共の中から変な成長しちゃった奴が森から出てきちゃったんだね 百年、二百年に一体出るか出ないかって個体だからあんまり気にしなくていいよ」
「…アレは何処に向かっている?」
「お家に帰るように誘導したよ 流石に『足元に気を付けてね』とは言っても理解してくれないし、進路先に人がいたら逃げてもらうほかないねぇ」
「お前は何なんだ?魔法が使えるのか?」
「使えるよぉ?いっぱい使えるよぉ? 誰なのかって聞きたいならとりあえず君の敵になるような奴じゃないとだけ理解してくれれば良いよぉ?」
「良いよぉって…まぁ、分かった じゃあとりあえず最後に…」
「うん、なんだいなんだい?」
「ソレはなんだ?」
この日、冒険者並びに傭兵両ギルドの合同討伐隊は戦闘によって荒れ果てたキャンプ地にて休養を取り、翌日になってようやく出発した
その間に調査専門として同行していた部隊が奴を追うように林に入り、日が暮れる頃に半数になって帰ってくる
といっても戦闘や事故が起きたわけではない
先行していたルディと共に行く変人…もとい志願者を合流させ、奴を追って北の大森林へと向かったのだった
討伐隊は巨人と彼らを追う…事なく街への帰還を選択する
成果はない
討伐は果たされず、調査は継続中
いくら信に厚い者たちの証言とはいえ、お偉方はその言を信じるだろうか
しかし体力が回復したところでもう一度あの絶望に立ち向かう気力はなかった
疑われるようなら全員力尽くで縛り上げてこの惨状を見せてやろう
奴の体重がしっかり乗った手形
林の中には探さずともその足跡を見る筈だ
今は只
浴びるように酒を飲み
瞼の裏に焼き付いた光景を一刻でも早く忘れたいのだ




