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異世界のひと  作者: くものひと


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やるべきことをする男

この子はけして僕の味見をしたかったわけじゃない

愛らしくも知性を感じる目はとても優しく僕を見つめてくれた

頭や顎をさすってあげると気持ちよさそうに目を細めた

息がまた少し小さく、そして荒くなる

不安は重くなるけどお医者さんにはこれ以上何もできないと言われた

もう涙は止まらない

顔を舐められる

涙とよだれでべちょべちょになった自分が面白くて笑えた

お返しにまた頭を撫でる

気持ちよさそうに目を閉じる


もうその目が開くことはなかった




野営用のシャベルを借りて穴を掘る

騎士の人達に手伝ってもらうわけにはいかないので頑張った

領主様からしたらこんな事をする為にこの遠征に動向させているわけではないと思うが、まぁ許してもらいたい

包んだ遺体を背負って運ぶ

この大きさは以前の僕じゃ運べなかったなと苦笑する

お二人から手伝いを申し込まれたけど自分だけでやりたいので断った…ごめんなさい


土をかけて埋葬する

流石にお墓のようにするのはいろいろ問題もありそうなので自重した


手を合わせる


僕のせい


巻き込んでしまったこと


苦しませたこと


助けられなかったこと


受け入れてくれたこと


受け取ったこと




二人からは行動はともかく感情は理解できると言われた

その上で苦しみから解放する為の止めを僕が刺したとしてくれないかと提案され了承する

今回の事はモンスターを倒したという事を事実として押し通すらしい

僕の身勝手な行動で随分と困らせてしまったようだ


虫だろうが猿だろうが猫だろうが、騎士にとっては等しく平和を脅かす敵だ

虫や猿はモンスターとして見れるのに、愛らしいという理由で猫は愛でる僕は正義じゃない

感情が爆発してしまって取った行動を思い返し反省する


反省します


…反省は…します





次の日には素直に、余計なことを考えずにモンスターを倒した

気を使ってもらったのかたまたまなのか、植物がうねうね動いている奴だった


体に変化はあったかと問われたけどよくわからない

つまり感じられる程の変化はない

芳しくない僕の答えに二人が顔を見合わせる

その後も訓練も兼ねてモンスターと戦闘を重ねた

変化を見つけては疑い見つけては疑う

そんなレベルの変化というか強さを得た気がしなくもなくもないようなそんな感じがあったりなかったりあったりするかもしれない

一応モンスターを倒すたびに強くなったという演出は頑張った

騎士の人達にその成果?を見せることはできたと思う…たぶん



得たものや当初の目的の達成はあるが、領主様の望む当てが外れてしまった結果をお土産に遠征を終え帰途についた

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