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巨大なゴーレムが行く手を阻んだ
驚き怯える馬を抑えなだめる
途端、目の前を巨大な手のその指先がかすめる
前方にいた騎士が一人、馬と共に薙ぎ払われた
「下がれ!」
そう叫び馬を反転させると同時に轟音と土煙に襲われる
巨体を制御できていないのか薙ぎ払いの姿勢のまま倒れ込んだらしい
だが瞳に当たる部分はこちらを常に追っている
停止しそうになる頭を無理やり動かし残る部下にゴーレムを迂回するよう指示を出すが、奴もまた転がる様に姿勢を戻しながらこちらの行く手を阻んでくる
(ちっ!コイツに剣は効くのか!?)
握った剣を構え相対しようとしたのが間違いだった
恐ろしい物量の腕が真上から振り下ろされる
凄まじい轟音
ゴーレムのもげた腕が近くの城壁を破壊した
砂の山になったゴーレム…
見失った目標…!
「追うぞ!」
迷いなく東へ向け馬を走らせる
彼女達を追う彼らがこの城に戻ることはなかった
ーーー
街道を東へ向け馬車を走らせる
整備されているとはいえこの速度でいつまでも走れば馬や馬車は勿論、せっかく助けした彼女達の身が持たない
突発的な作戦にしては上手くいったと思うが、東に逃げてしまった事は浅はかだったか
とにかく一度、馬車をとめる
ゴーレムの少女に彼女達の状態を確認してもらうが思ったよりは元気そうだった
街道を逸れ隠れる場所を探すのも手だが草原の広がるこの辺りでは隠れる前に見つかるだろう
また馬車を走らせる、少し速度を落として
どうか奴らが迷い見失ってくれることを祈るしかない
ーーー
街道を行く者にそれらしい馬車の目撃の証言を得た
ならば馬車と騎馬では速度が違う
しばらく走らせればその姿を捉えるのは時間の問題だ
馬車が街道を逸れる
どうやら近くの森に逃げ込むらしい
ならばもはや詰みだ
馬車が森を走れるわけがない
女の足でどこまで逃げ切れるというのか
整備もされていない草原を行く馬車の速度は明らかに落ちていた
足止めに来た御者と思しき者を切り伏せ、馬を降りて女共の後を追う
無駄だとは思うが口それぞれに安心させる言葉で声を騎士達にかけさせる
まだ昼になったばかりで森の中は比較的に明るい
すぐにでも見つかるだろう
…
……
………気が付くと辺りは暗くなっていた
だが暗いというには違和感がある…
現に周りの騎士たちの姿もはっきりと確認できる
‥いや、どうも人数が少ない気がする
(はぐれたか?)
隣の騎士が前方を指差す
目玉が浮いている
人の頭ほどの大きさだ
(この森は…そうだ…しかし…まだ…)
隣でドサッと音がする
指差す腕を残したまま隣の騎士が姿を消した
やがて辺りからも悲鳴が聞こえ…悲鳴ではない声も混じっているようだ
やがて周囲に姿を表す異形達
何本も指が生えた腕がぱっくり割れて無数の歯が生えた口の中に何かがこっち覗いて左半分しかない頭部の4つの目から足や耳のある巨大なヘビが生まれ続け口になった目玉は溶けた自分を食い裂けた腹から吐き出して腕が二本と足が二本生えた男が自分を無表情に見つめて永遠にめくれ続ける耳が作った血溜まりから肉の塊が下卑た笑い声を上げながら這い出していくつもの目玉が忙しなく動き続けている
足の痛みに襲われ下を見ると大口を開けた騎士達の顔が私の足を膝まで飲み込んでいた
目の前まで歩み寄ってきた男がなにかを抱えている
頭だ
私の頭だ
あぁ…つまり…えっと
えット…
ナンダッケ?エット…
マーイイヤ…ワカンナイ…




