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「外に馬車を用意しております、お早く!」
そう言うと彼は剣を抜き、追っ手を足止めする為に元来た方へとその身を翻す
ずっと私達の警護をしてくれていた騎士様だ
混乱している皆様をどうにか説得して部屋から連れ出した
とにかく城からの脱出をする為に走ってもらう
先導してくれるのはいつも美味しいケーキを作ってくれた料理長さん
前方に知らない顔の騎士様が私達に向けて叫ぶ
「皆様ご無事ですか!?」
そう言いながら剣を抜く姿勢を取る騎士様
背後から現れた別の騎士様の体当たりを受け揉み合いになる
「行け!」
そう叫んだのは果たしてどちらか
もう誰が味方かわからない
バッグの紐をギュッと握る
いざとなったらお母様に助けてもらう
必死な目、血走った目、寂しそうな目、そしてジッと見つめてくる無感情な目…
様々な視線に晒されながら城を出る
もう皆様の体力がもたない
転ばれた方を料理長さんが抱き起こすと同時に、複数の騎馬が城の裏手から現れた
剣を抜いていて…血走った目
(助けて!お母様!!)
そう祈りながらバッグの中に手を突っ込む
掴み取ったものを巻き添えにならない程度の場所に投げる
そして現れる壁…と見まごう巨大なゴーレム
賢者様が自身の世界の知識や事柄をごちゃ混ぜに書き殴り、我らがご先祖様に与えたもうた聖書
それを読んだお母様が着想を得て作ったゴーレム
命令を理解、実行する知能
細かい作業をする繊細さ
一度起動させれば長時間動作が可能な稼働時間
それら全てを犠牲にする事で作り出したお母様の秘技
心臓部となる魔法石を地面に投げた時の衝撃で発動
その辺りの物を材料に瞬時に顕現(水やお湯があるとより巨大になる)
その稼働時間はごく僅か
その名は『3分ゴーレム』
特徴的な頭や輝く胸元の石の実装は出来なかったと、自身の不甲斐なさに悔し涙を流すお母様を思い出す




