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異世界のひと  作者: くものひと
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9

違和感を捉えた


雷が闇を裂き天から降りて地に触れるほどの時間

大海の水を匙で掬うほどの量


それは動く


そしてすぐに闇は深くなり

しかしまた海は満ちた


確かにそれは動いた


世界を滅ぼさんとする魔王も

それを阻止せんが為の宿命を背負う勇者も

それの前では互いに手を取り合うだろう


その それが動いた


距離は人の歩幅で半歩程


それが送り

それに送られるもの


そのバランスを何かが刹那、崩したのだ

僅かに変わった世界の景色にそれはニヤリと笑う


人の歩幅で半歩程


それにとっても

世界にとっても


理が歪み始めた

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