25/37
後悔する男
はぁ〜…
ベッドの上でため息を肺が空になるまで出し尽くした
このまま息が切れて死んでしまえばいい
覚えたはずの名前を間違えたのだ
なんと失礼な事だろう
夕食を終えるまでに会話に聞き耳を立てて情報を集めた
部屋に戻る際のほんの一瞬二人きりになった女性に、名前と挨拶を並べて別れようとした
吹き出すように笑って訂正された
平謝りして部屋に逃げ帰った
天井に向けて今日教わった挨拶を繰り返す
明日から少しずつで良いから仲良くなろう
怖がらずに話しかけよう
眠りに落ちる前
ふっと浮かぶ記憶
アンナさんが持っている辞書
意味も読み方も分からないという文字
『kill them』
僕も分からないとだけ答えた




