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異世界のひと  作者: くものひと
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見学をする男

アンナさんが気晴らしにと僕達を城内見学に連れ出してくれた

保護された直後に誘拐事件があって、ほぼ軟禁状態の僕達に気を使ってくれたのだろう


娘さんが事件に巻き込まれて気が気でない筈だが、明るく振る舞ってくれる彼女に僕達も甘えることに


城内を案内してくれる執事さんの言葉をアンナさんが通訳してくれる

…安全だと思っていた城内でも帯剣した人達が僕達を警護しているということは、つまりそういう事なんだろう




訓練場では剣を持たせてもらった

僕が利き手だけで振るうのは難しく両手でやっとという剣を、稽古している人たちは物凄い速さで軽々と振り回している

女性陣もやけに感動しているが恐らく僕とは違う理由だろう




お昼ごはんは領主様が同席してくれ、優しい言葉をかけてくれる

『困った事があれば』と言われ『この世界に来てからずっと困ってます』とも言えず、さりとて軟禁状態の方も仕方がない状況であり、それ以外はむしろ助けられていることに感謝しかない




…僕達は彼らが期待するなにかを持っているのだろうか


剣すら満足に振るえないのに


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