彼女、私、僕、あーし、と私
ずっと守ってくれていた彼は行ってしまった
でもいつ襲ってくるかという恐怖もあった
最初は彼だった
彼の指挿す方向を目指した
ほんの少しの間いなくなった
戻ってきた時にはもう怖くなっていた
いなくなって戻ってを何度か繰り返してた
そのうちいなくなる必要がなくなったみたいだった
手が長く伸びる触手の様な物になって…何本も生えて…
そこでもう彼を見るのをやめてしまった
何をしてそうなったのかも考えない様にした
ただ彼が指し示す方向に歩いた
…
私達の会話に反応してくれたのには少し驚いた
少し安心した
でももうダメだった…見なきゃよかった
でも…それでも…守ってくれた彼の事をあなた達伝えなければダメだと思った
それが唯一彼の存在と…優…しさを見ていた私が彼に
彼の為にすべき事だから
翌朝、食事を終えた後でそう彼女が語る
あの時助けてくれた彼の事を思い出す
真っ先に私達を庇って逃がしてくれた
ボロボロになるまで戦ってくれた
そして遂には…
今、彼はどうしているのだろうか
まだ私達を守るべく探して彷徨っているのだろうか
会話もお互いの顔を覚える時間もなかったのに
私達をこの優しい場所に連れてきてくれた彼は
まだ苦しみの中にいるんだろうか
会話はおろか顔すら覚えておらず、思い浮かべる事も満足にできない事を悔やんだ
…
その後…
助けてくれた女の子が作った結界?からしばらく動けなかったのは彼が戻ってこれない距離まで、気配が感じ取れなくなる距離まで離れていくのを確認していたんだそうだ
大きな土の人形が私達を運んでくれて少し大きめで可愛らしいログハウスの様なお家に招き入れてくれた
大きな露天風呂に入れた時には涙が出るほど嬉しかった
パタパタと忙しなく動き回りちょっと危なっかしい女の子と人形を横目にソワソワしながらみんなで食事を頂き、用意してもらった寝室で泥の様に眠った
私達はこれからの事を女の子に教えて貰う
南へ森を抜けた先に大きな街があり、その街の領主様が私達を保護してくれるそうでその迎えが3日前後に来るらしい
既に別で保護された人達もいるんだって




