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『金色』嫌いな俺の青春  作者: えみお


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4-7

「ままならないなぁ・・・世の中は・・・」


 夜、自室にてそう独呟く私・・・宇佐美茜の脳内には、今日1日の出来事が次々と思い返される。

 飛田達に対する遊びと言う名の接待・・・いきなり現れたカネダという男・・・私を置いて逃げ出す同級生の後ろ姿・・・野蛮な目付き・・・抗えない心・・・




 そして諦観の境地にあった私の手を掴み・・・つなぎ止めてくれた男の子。




「だけど・・・そんな人に限って、私は眼中にないんだよね・・・」


 ・・・というより、おそらく入学当初からずっと、私は彼に避けられている。

 最初は偶然かとも思った。

 しかし、ひとたびそれに気付き、意識して動向を追ってみれば、彼が私との遭遇を避けているのは一目瞭然だった。




 教室を出入りする際、私の座席に近い扉は絶対に使おうとしない・・・。

 話しかけても空返事・・・当然、向こうから声を掛けてくることなぞ皆無。

 極めつけは、少し顔を覗き込んだだけで、目前に拳を振り下ろされる始末!

 



 この世に生を受けて15年・・・最近は大人に囲まれながら仕事を熟すことも日常茶飯事の私をもってしても、ここまでずさんな態度をとられたことは1度とて無い!


(「一応・・・私、美少女で通ってる筈なんだけどな・・・」)


 人の好みが千差万別なのは百も承知。

 だが、曲がりなりにもSNS発の有名人で、同年代の人間の中では私を知らない方が少数派・・・そんな女の子相手にあそこまで明確に拒絶の態度をとるなんて!




(「でも、そんな彼が・・・気になるんだよね」)

 

 


 休み時間はもっぱら教室におらず、偶にいたとしても本の虫・・・。

 自らが避けられているのを抜きにしても、他のクラスメイトとの会話も必要最低限・・・。

 普通の女の子だったら、その2つのマイナス要素で、彼を敬遠する理由にはなりそうなもの・・・。

 



 しかし、世間的には決してプラス評価されないそんな部分・・・そして何より、今日助けてくれたときの彼の姿が、私に幼き頃のとある記憶を思い起こさせる。




(「まるで・・・『あの人』みたいだった」)




 ・・・父の度重なる暴力がエスカレートし、いよいよ耐えきれなくなった母が突如家を飛び出した日。

 酒に溺れ、覚束ない足で追いかけてきた実父の前に毅然と立ち、私と母を守ってくれた『あの人』・・・。


(「本当になんとなくだけど・・・彼は『あの人』に似ている」)


 外見や普段の行動で『強さ』を誇示することが無いところが特に・・・。

 

(「そんな人に・・・私が巡り会うコトなんて無いって思ってたけど・・・」)


 出会い・・・助けられ・・・そして抱いたこの気持ち。


(「負けは見えてる。現状では勝機があるとは思えない・・・でも!」)


 


 何もせずリングを出る・・・

 そんな選択肢は・・・私の中に存在しないのだった!

 

 

 


 ここまで読んでいただきありがとうございます!

 これからも、鋭意作成し続けたいと思いますので、応援の程、宜しくお願いいたします!

 

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