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『金色』嫌いな俺の青春  作者: えみお


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4-4

「え・・・?」


 カネダ某と名乗る男からの突然の求愛・・・。

 自身の容姿や職業柄、この手のイベントは割と経験してきた方ではある私をもってしても、出会い頭にぶつかった相手に、謝罪を打ち切ってまで告白されたのは初めてである。

 それ故に、返しの反応もまるで普通の女子高生が突然ナンパされたかの様なものになってしまった・・・。


「でさ・・・今から俺と遊びに行かね?ボウリングとかどう?俺、得意なんだよね!」


「は・・・はぁ」


 依然として大した言葉は紡いでいないはずなのに、カネダ某はといえば、まるで旧来からの友人・・・下手すれば恋人かの様に馴れ馴れしい。

 

(「こういうヤツって、やっぱり至る所にいるのね・・・」)


 と思うと同時に、その該当者が自身の後ろから連れを伴って駆け寄ってくる。


「おい!お前・・・宇佐見ちゃんに何してんだ!?」


 力ずくで自身とカネダ君の間に割り込み、バリケードを作る飛田と仲間達。

 自身の名がそこそこ知れ渡っていることを踏まえて、大声で名前を出さないで欲しいと思ったが、今はとりあえず助けに来てくれたことに感謝した。


(「そうよ・・・今こそ、日頃の投資を回収する時よ」)


 と、救助される側がおおよそ抱いてはいけない感情も沸きつつ、強引ながらもこれで事態は解決の方向に向かうだろう・・・と思っていた。

 しかし・・・




「アアッ?」




「「「「(ビクッ!!!)」」」」


 飛田達3人に向かって、目前のカネダ君が威圧とともに放った何か・・・。

 目に見えることの無いその何かに当てられた私は、途端に身体に怖気が走るのを感じ、そしてその何かの影響は前方で壁になっている3人に、より強く表れた!


「ウッ・・・」


 自身を庇ってくれていた飛田達は、ソレを感じ取るや否や、「ビクンッ!」と形容できるほどに身体を震わせ、そして唐突に首筋から脂汗をかきだしたのだ。

 飛田の来ている薄手のシャツが急激に湿っていくのを見た私は、ようやく『何か』の正体を知った。




(「これって・・・殺気!?」)




 ・・・勿論、本当に人を殺したようなことのある人間が巷を悠然と闊歩しているわけがない。 第一、目の前の男と私達の間に、そう年の差は無いはずだ。

 離れていても1つや2つ・・・少年法だとか刑法だとか難しいことは知らないが、もし仮にそんなことをしでかしたヤツがいたとしたら、こんな所を大手を振って歩いて入れる訳がない・・・。


(「だから、きっとまがい物・・・そうに違いない・・・」)


 しかし、そんな嘘に気圧されてしまったボディーガード達は、もはや全く使い物にならなくなってしまっていた。

 しかもあろうことか・・・


「うっ・・・うわぁ!!!!!!」


 私を助けに入ってきたときに比べても明らかに大きな声で叫声を上げた飛田と仲間達は、自らの保身を優先するあまり、警護対象である私を置き去りにして逃走してしまったのだった・・・。


「おいおい・・・格好悪いなぁ・・・助けに入った女の前でケツまくんなよ!」


「・・・・・・・・・」


 大の男3人の情けない態度に、片方が言葉で追撃する間、もう片方・・・つまり私は呆然としていた。




「これじゃあ・・・何のために・・・」




「うん?何か言った?」


「ヒッ!」


 小声でぼやいた私の本音を拾ったカネダに内容を問われ、思わず怯える私・・・。


「何?恐かった?」


 と当の本人から心配されるも・・・


「えっ・・・ええ・・・ありがとう」


 と礼を返してしまう情けない自分。

 その時になって私は・・・殺気の直接的な対象になったにも係わらず、逃げることが出来た飛田達より、ソレを間接的にしか浴びていない自分の方がより精神的なダメージを負っていることに気付いた・・・。


(「ああ・・・本当に情けなくって弱いのは私だ・・・」)


 いざという時に頼るため、強そうな男に日々気を使って接待紛いのことをして・・・

 暴力を斡旋することも厭わない・・・そんな女である私がチョット睨まれただけで逃げることさえ出来ない・・・。

 



(「そんな自分に、飛田達を誹謗する筋合いなんて無い」)




「で・・・何処行く?ボウリングでいい?カラオケ・・・何なら俺ん家は?」


 と、最早自身を性の捌け口にしようという魂胆を隠そうともしないカネダ。

 しかし、自身では絶対に叶わないだけの暴力を持った彼の言葉に・・・私は逆らう術がない。



「は・・・はい・・・」




「えっ・・・いいの?よっしゃあ!」


 力なく答えた私の言葉にカネダは狂喜乱舞する。

 ホントはついて行きたくない・・・当然だ。

 しかし、自身の身体が逃走を図ろうとする素振りは一切無い。

 理不尽な暴力が自身に向けられたとき・・・私は何も出来ないのだ。


「じゃあ行こうか!」


 そう言って向かおうとする先は繁華街とは逆方向。

 そちらに若者の遊び場など無いことを知っている私は、彼が何もかもショートカット使用としていることを知る。


(「これも、バチが当たったのかもね・・・」)


 ここ数ヶ月の自身の行い・・・その沙汰が下された結果だと考えれば、かろうじて受け入れられる・・・。

 この行為如何で様々なものを失う・・・その心の準備をしつつ、私は足を彼の背中に向け・・・




 バシッ!




「・・・えっ?」




 歩き出そうとする私の手を横からとった腕が1つ。

 その持ち主は、私が今、一番謝らなければならず、絶対に助けに入ってくれる筈のない人で・・・




「わ・・・渡会君っ!?」




 急に掴まれ、それが見知らぬ男だったら嫌悪感さえ抱きそうな手から伝わる人の温もり。

 それによって急激に涙が製造される中・・・私は彼の名を呼んだ。


 ここまで読んでいただきありがとうございます!

 これからも、鋭意作成し続けたいと思いますので、応援の程、宜しくお願いいたします!

 

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