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『金色』嫌いな俺の青春  作者: えみお


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4-3

「え、ええ・・・もう行かなきゃいけないから・・・」


 押しの強い飛田達同級生の誘いを、どうにか躱そうとする私、宇佐美茜は・・・

 

(「ホント・・・一体何やってるんだろ・・・」)


 と、自らに対して情けなさを覚えていた。

 芸能の世界に身を置く私にとっては完全オフの休日なんて滅多に無い。

 特異な生活をしていようと、特殊な立場に置かれていようと、一介の女子高生であることには違いない。

 とある理由から、散財することが出来ないのだが、それでも普通の学生が普通に街中を散策するだけの懐の余裕はある。

 1人で何気なく散策し、ふと気になる物に足を止め、無為に時間を潰す。

 そんな無駄な時間こそ、私にとって必要不可欠なものなのだ。


(「・・・なのに、今の私がやってるのは、まるで接待よね」)


 頻繁に遊びに連れ出そうとする飛田達に、仕事だ何だと嘘を並べて誤魔化すことは難しくない。

 だが、これまた自身の都合からこの関係に利用価値を見出しているうちは、偶にエサもやる必要がある。

 それ故に、貴重な休みを空費しているのだった。

 

(「曲がりなりにも、同級生と遊ぶことを「エサをやる」って思う私は、きっと悪い人間なんだろうな・・・」)


 ・・・先日の飛田と渡会君の一件も、自身の禍々しさは十分に分かった。

 暴力が嫌いで避けたいと心から思うその一方で、自身の好奇心を満たすために暴力を誘発することを厭わない。

 

(「結局、血は争えないのかもね・・・」)


 諦めにも似た気持ちが身体を支配するのを感じながらも、口と表情筋は依然として飛田を躱そうと躍起になっていた。


「今度、また遊ぼうね!」


「ええっ!?そう言って宇佐見ちゃん全然遊んでくれないじゃん!」


「ゴメンね!仕事もあるし勉強もしなきゃだから・・・」


「そんなん、適当に誤魔化せば良いだろ?」


 ・・・なんとも社会を舐め腐った同級生の発言。

 父親の特権を使って、下の者を平伏させる幼少期を送れば、誰でも人はこんな風に育つのだろうか?


「そんなわけにはいきませーん。私は真面目なんですぅー」


 軽蔑の視線を向けつつも、勿論そんな態度は絶対に出さない。

 ノリを合わせた発言で場を和ませつつ、私は飛田達の進行方向とは反対につま先を向けた。

「じゃあ、またね!」


 自身のペースで強引に会話を打ち切った私は、振り返りながら別れのひと言を述べると、ホッと息を吐いた。

 

(「これで夏休みまでは大丈夫ね・・・」)


 本日のノルマを達成し、肩の荷を下ろす私。

 体力的にはともかく、精神的な疲労はそこそこ溜まり、「じゃあ今から1人で街中をブラつこう!」とはならない気分・・・。




 そういった事情もあって、私はチョットしたミスを犯す。

 そしてそのミスがまたもや、暴力の火種を生み出してしまうのであった。




 ドスッ!




「あっ!」


 視線を前に戻そうとする刹那・・・私は前を歩いていた人と衝突してしまったのだ。

 変装の為と被っていたキャップは投げ出され、尻餅をついて倒れる。


(「あっ・・・帽子!」)


 と、瞬時に危機管理能力がはたらいた結果、先に帽子を拾って被り直そうかとも考えたが、こちらが余所見をしていたが故の接触・・・何よりまずは相手方の心配が最優先だと考え、私は先方に目を向ける。

 幸運なことに先方の男性は、引っくり返った自身とは対照的に、しっかり地に足を着けて立っている。

 物理法則を踏まえれば、彼も又同じだけの力を受けたはず・・・。

 しかし性別による差か・・・それ以外の別の要因によって彼は難なくその衝撃に耐えてみせたのであった。


(「良かった・・・怪我はさせて無さそう・・・」)


 とりあえず安心した私は、その場で立つと視線を仰いで男性の顔を見る。

 焼けた肌・・・そして、鈍い輝きを纏った金髪がまず目に付き、その後、彼の瞳に宿る妙な自信と鋭い眼光が印象に残った。

 そして、私が・・・


「あの、申し訳ありません。だいじょ・・・」


「・・・うぶですか?」と、定型文を言い終えるより先に・・・




「やっべっ・・・めっちゃタイプ!!!」




 との発言が、目の前の彼から発せられた。


「へっ?」


 流石の私も虚を突かれ、困惑するのも余所に、男の『猛アプローチ』・・・




「オレ、金田・ゴルド・金治って言うんだ!俺と付き合ってくれ!」


  


 いや・・・その過程を遙かに飛び越えた、『猛告白』は始まったのであった!

 ここまで読んでいただきありがとうございます!

 これからも、鋭意作成し続けたいと思いますので、応援の程、宜しくお願いいたします!

 

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