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演劇部の皆さまと私の日常。  作者: 卯侑
事件とイベント、そしてその後。
37/56

33 いいことあった。


「おかえりー。もう、ユウリィってばどこ行ってたの?」


「ごめん、ちょっと寄り道してた。」


深くは追究しないで!!付き合うことになったこと、絶対ばらさないし。


「あのね!ビックニュースだよ!」


「え、何?」


「大きな声では言えないんだけどね……お姉ちゃん、告白したの!!」


「もしかしなくても、借り物競争がきっかけ?」


「なんで分かったの?」


「じゃあやっぱり……」


「うん。お題に好きな人って書いてあったんだって。セイセイの隣に居たから聞こえちゃった。」


あの子達、私にも仕掛けるつもりだったんだ!!敵ながらあっぱれ、だね。


「で、千津は?」


「うーん、借り物競争後帰って来ないんだよね〜。うまくいってればいいんだけど……。」


「多分、うまくいってると思うぜ?」


「優壱、翔馬くん!き、聞こえちゃってた?」


「あぁ、バッチリ。他の奴らは先輩に夢中だから、大丈夫だと思うけど……もうちょいボリューム下げようぜ?」


「うん、そうだね。でもさ、イチくんはどうしてうまくいくと思うの?」


「ん?翔馬、分かるだろ?」


「うん、勿論。」


優壱と翔馬くんは顔を見合わせると頷いた。


「ねぇ、勿体ぶらないで教えてよ。気になるじゃない!」


「この前、星が千津ちゃんの前で本気で笑ってたから。」


「え?じゃあ、私だと愛想笑い?」


「あー、星くんだと営業スマイルとか?」


優壱と翔馬くんはまた顔を見合わせると頷いた。


「星の笑顔は仲の良さによって分かれてて……僕らなんかは一番上なんだけどね。それを引き出すのに三年かかったんだ。」


「それを、お姉ちゃんはもう引き出すことができた、と。お姉ちゃんってすごいの?

 あ!お姉ちゃんとセイセイ!」


二人は手をつないでいた。わー、ラブラブ!


「おかえりー、遅かったね。」


「よかったね、千津!」


「う、うん。」


千津は少し顔を赤らめた。


「お姉ちゃん。」


「何?」


「リア充爆発しろ(ニコッ)」


「全力で遠慮するね(ニコニコ)」


姉妹は笑顔で闘っていた。コワッ!


「あ!ケイちゃん先輩とたっくん先輩!」


菜穂の声に、みんなが目を向けた。

圭一先輩も琢磨先輩も、騎馬戦の上で闘っていた。どんどんハチマキを獲得していく。


「先輩方!がんばってくださ〜い!」


と、両先輩が正面から組み合った。


「っ圭一先輩!がんばって!」


私はつい叫んでしまった。周りにみんないるのに、先輩・・ではなく圭一先輩・・・・と。死亡フラグが……。

そんな私の心境などお構いなしに、時間は過ぎていく。ついに10秒でタイムアップ!と、その時!


「おーい!勝ったぞ!!」


「負けたぞ!!」


最後にハチマキをゲットしたのは、圭一先輩だった。


こちらを……私を見て、笑顔で手を振っている。

はい、かっこよかったです!惚れ直しました!でも、先輩。みんなにバレちゃいますよ!?


うれしいような、悲しいような……こうして、体育大会は終わっていきました。




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