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演劇部の皆さまと私の日常。  作者: 卯侑
事件とイベント、そしてその後。
34/56

30 放送室での静かな争い。

放送室内のイスを窓際に寄せて座る。優壱ってば、放送委員じゃないのに……我が物顔だな、おい。そして、アイツは唐突に一言。


「お前さ……圭一先輩のこと、好きだろ?」


「!?」


私は、イスから転げ落ちた。


「お前な……女子としてどうよ?」


いやいや、普通の反応でしょ?コレぐらい。驚いたんだから当たり前じゃない。まぁ、ちょっと大袈裟だったかもだけど。


「……何でそんなこと、あんたが知ってんのよ。」


「いや、見てたら分かった。」


え〜っと、この流れは……


「優壱って、すとーかー?」


「んな訳ねーだろ!?どこでどう解釈したらそうなるんだよ!?」


「ここでこう……?」


なんか、がっくりしてる。わざとだったんですけど……部活だとよくあることでしょ?


「そういうことじゃあ無くってさ。」


「うん、知ってる。てかさ。」


「なんだよ。」


「優壱も咲先輩のこと好きでしょ?」


「!!」


こっちだって、ちゃんと見てたんです――。こっちの恋心に気づかれていたのは誤算だったけど。


「て、いうことで、脅しても無駄だよ?バラしたらバラすからね。」


「……もとからそんなこと企んでねーよ。」


ふてくされたように呟いたその言葉は……残念ながら(?)聞き逃してしまった。まぁ、大したこと言ってないよね。


「で、話はそれだけ?」


「ん―。別にどうでもいいかと思ったんだけど。オレ、借り物競争の係りだからさ、何かあっても助けてやれねーよって言っとこうと思って。」


「あ―、うん。分かった、気をつけておく。けど、優壱って委員会やってたっけ?」


「いや、光貴のやつが軽い熱中症で倒れちまって。競技にはでるから、係だけやってくれってさ。」


やっぱりお人好しだな。


「だからさ、圭一先輩に頼んで……。」


「頼んだの!?」


私の剣幕におされて、優壱はイスから転げ落ちた。


「いや、頼んだらいいんじゃないかな〜と。」


「遠慮しとく!」


「何で?先輩に近づくチャンスじゃん。」


「なんでも!!」


だめなの!だって……


「私のは……本当の恋じゃないから。」


「……なんで?」


男子には分からないかな〜。このビミョーな気持ちは。


「とりあえず、そういうことだから!」


それだけ言うと、何か言われるのがいやで立ち上がった。


「あ、おい!」


優壱が止める声が聞こえたけど……いや、私は何も聞いてなかった!!


以上!




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