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演劇部の皆さまと私の日常。  作者: 卯侑
事件とイベント、そしてその後。
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35/56

31 頼まれて。


「佐藤さん?ちょっと、頼みがあるんだけど……いいかな?」


席に帰ると早速、石田さん達が話しかけてきた。


「何?別に(水ぶっかけられたこと、根に持ってるけど表面上は仲良くしてあげよう(・・・・)と思ってるから)いいけど。」


私のダークオーラに、石田さん達は後ずさった。うん、いい心懸けだね。


「あの、珠(タマ)ちゃんが頭痛いって言い出してね、次の借り物競争で代わりに走ってくれる人を探してるんだ。佐藤さん、走ってくれるかな?」


確かに、今の彼女達の中には、村山(ムラヤマ)さんがいなかった。


「他に、走れる人はいないの?ほら、私鈍足だからさ。」


「うん、知ってる。」


おい、私の足が遅いのは真実でも、肯定するなよ!傷つくじゃん、そんなに仲良くない人にそんな風に言われたら!


「でも、決まりで代役は一人一回って決まってるでしょう?他にできる人がいなくて……。」

結局、私がやるしかないんじゃん。初めから言えよ!!それでも、怒りを表に出さずに営業スマイル☆


「分かった、やるよ。」


「ありがとう!それじゃあ、よろしく。」


彼女達は、大袈裟に喜んで見せると、そそくさと去っていった。


「借り物競争に参加する選手は、待機場所へ移動して下さい。繰り返します……」


あぁ、行かなきゃか。面倒だな〜。特に、生徒の波をかき分けるのが。どうして運動会ごときに、こんなに混んでるんだ。待機場所に着くのが遅くなっちゃったじゃん。あ、あそこにいるのは!


「千津!」


「あ、優李。もしかして、優李が走るの?」


「うん。村上さんって何番目だったの?」


「池内さん、宮本さん、村上さん、私の順だよ〜。」


その時、ふと閃いた。


「ねぇ、順番変わってくれない?」


「え?別にいいけど、なんで?」


「うん、みんながやってるの見ていたいな〜って。」


笑顔で嘘をつく。


「分かった〜いいよ。」


「ありがとう!」


もしかすると、千津の走る時にだけ、何か罠があるかもしれないし。まぁ、保険だよ。


「ねぇ、千津。私、やり方知らないんだけど。」


「ん?えっと、借り物競争担当の委員会の人がお題を書いて、担当の列前に置くの。で、私達は障害物をさけて、お題を取る。それを確認したら、誰かに借りてゴールまで走る!あ、確認係りの所まで行くの、忘れないでね?」


「優壱の言ってた係ってこれか。了解、ありがとう。」


と、後方から声が聞こえてきた。


「誰か!シャーペンかして!」


「帽子は!?どこ!?」


「野球部の人〜!?いないの!?」


「嘘、もう始まってる!?てか、人?人、借りるの!?」


「あ、次は私だ!」


「あ、がんばってね!」


私の声援に彼女は笑顔で応えた。どうしたらそんなナチュラルに笑顔ができるの!?うらやましい……。とか考えてる内に、無事お題を確認した千津が、走り出……せなかった。あれ?


千津は、お題を見たまま固まっていた。でも、しばらくすると頷き、席で見ていた星くんの下へ行き、耳打ちしてからゴールへ向かった。お〜、一位だ!すごい!


って、私の番じゃん!


千津のお題が何だったのか気になりますが、ひとまず忘れて目の前のことに取りかかりませう。


スタートダッシュは遅れたけど、この後取り返せば大丈夫!……だが、お題を確認した私は若干パニック状態におちいっていた。


「……す、好きな人……!?」


叫ぶまでにはいたらなかったが、心境は……うん、ヤバい!と、とりあえず……どうしよう!?


立ち往生してしまった私の下へ駆けつけてきたのは……圭一先輩だった。ヤバい、かっこいいです、先輩!!でも、なんで!?


「優李ちゃん、大丈夫?」


「せ、先輩?なんで……」


「おいで!」


私は、圭一先輩に引っ張られて一位でゴールした。


確認係りは、故意に選んで優壱の下へ……


「うん、合格。しっかりな、優李。」


何がなんだか分からないまま、私は圭一先輩に連れられてグラウンドを後にした。




爆弾投下完了しました。

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