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演劇部の皆さまと私の日常。  作者: 卯侑
事件とイベント、そしてその後。
29/56

25 失態と赤面事件。


……やられた。


クスクスという嫌な笑い声が響く。髪から滴り落ちる水滴……とは言い難い大量の水。そんな状況下に置かれた私の切実な思い、それは……


早く立ち去れよ。


千津の代わりに、ハチマキを取りに来た私。個室に入り、間違ってドアを閉めたがこれがビンゴ。ハチマキは、ドアについているバック掛けにかかってました。


ほっとしたのも、つかの間。いきなり上から水がバチャーン。ただの水道水ならいいけど、汚れた水とかだったら嫌だな。


どうやら、千津にやったと確信しているらしい彼女達。何かリアクションが欲しいのか、一向に立ち去る気配がない。


ふぅ。ここで私だとバレたら水のかぶり損ね。しょうがない。ご期待にお応えしましょう。演劇部の十八番、嘘泣き!


「うっうぅ。すんすん。うぅ……うぅ。」


けして大きな泣き声は上げず、すすり泣き。これなら、声の違いにも気づきまい。


……お、居なくなったか。気が済んだみたいね。よかったよかった。


さてと、問題は次。体育着まで全てビチョビチョ。ハチマキは……よし、濡れてないね。とりあえず、出るか……って扉開かないし。ちっ、閉じ込められたか。同じ手に引っ掛かるとは……どうしようでれない。


「おい!優李?居るか?」


おっと、その声は。


「優壱でしょ!?ちょうどよかった。ちょっと入ってきて!」


「は!?ここ女子トイレ……」


「どうせ誰も来ないから!」


「……ったく、しょうがなねーな。」


わりと、面倒見のいいヤツ。おもしろいし、ちょっと(頭脳面ではない方の)バカでも頼れる。だから好かれるのかな?寺山さんも、溝端さんも、水木さんに青木さんまで。優壱のことが好きな女子が他クラスから先輩層までいるのを私は知っている(笑)


勿論、星くんも翔馬くんもモテモテだよ?


て、いうかうちの演劇部って割と人気度高い部員多いな。(自分は除く。)


「!?何だよ、これ!」


「嫌がらせ。千津にやろうとしたみたいだけど、間違って私が閉じ込められちゃったってわけ。水までかけられちゃった。まぁ、間違えてくれてありがとうって感じだけど。」


「女子って恐いな。……よし、いいぞ。」


「ありがと。」


扉が開くと、優壱の姿が見えなくて、少し驚いた。横に視線をずらすと、掃除用具を片付けているのが見えた。


「そういえば、わざわざ探しに来てくれたの?」


「あぁ。席戻ったら、お前いないし、聞いたら戻ってないっていうから……!!」


こちらを見た優壱は、顔を赤くして固まったかと思うと、慌てたように後ろを向いた。


「ねぇ、どうしたの?」


「すっ!」


「す?」


「透けてるっ!!」


「ウソ!エッチ!!」


「不可抗力だって!」


「うるさい!」


今度は、こっちが顔を赤くする番だった……。




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