23 動きあり。
「ただいま。」
「お帰り、ユウリィ。お疲れ様。」
「結局、四位だったけどね。」
「えっと、8クラスだから……8人中でしょう?十分だよ。」
「ありがとう。……あれ?千津は?」
「お姉ちゃん?ついさっき、トイレ行っちゃった。」
「そっか。」
自分の出番を終えたことに安堵しながら周りを見渡すと、石田さんグループもいない……!?
コ・レ・ハ・マ・ズ・イ・!
頭の中が真っ白になった気がした。
「菜穂、私もトイレ行ってくるっ!」
「? 行ってらっしゃい。」
「千津はどこに行った?」
「お姉ちゃん?確か、外のトイレ。ほら、校庭の一番端。校舎内は混むから〜って言ってたよ?」
「分かった!ありがと!」
「うん。がんばってね?」
菜穂が物凄く怪しんでいたのが気になりますが、今はそれより急がねばっ!
そして、私は休む暇もなく、千津の救出に駆け出すことになったのでした……。休みたい!
さてさて、人を掻き分けて着いた女子トイレ。あ!ヤバっ!
「早く!見つかったら意味ないよ!」
「分かってるよ!」
………石田さんのグループでした。隠れたし、見つかって無いよね?千津を庇ってる(やろうとしていることを知っている)ってバレたらやりにくいしね。
さて、気を取り直して行きますか。
「……千津?」
「あ、優李?」
ビンゴ。まだ入っていたようです。
「うん。迎えに来たよ。」
「え?やだな〜優李ったら。学校内だもん。そう簡単には、迷わないよ(笑)」
おっと、良かった。出ようとする前で。……だって。
「どうだろ~ね。もしかしたら、拉致されるかもよ?千津美人だし。」
「そんなわけないじゃん(笑)ちょっと待ってて。すぐに出るから。」
拉致は冗談だけど……監禁はされてますよ?千津さん。
その唯一閉まってる個室の前には、掃除用具が。おそらく、派手'Sの仕業でしょう。
「分かった。待ってる。」
と、言いながらどける。
「お待たせ〜」
と、彼女が出てきたころには完全に片付け終了です。
「じゃあ、行こうか。」
「うん。」
これにて、監禁事件解決!




