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演劇部の皆さまと私の日常。  作者: 卯侑
悩みの種と事件まで
18/56

14 実は…(と、言うほどのことだったりした。)



それは、今からちょうど3日前……


いや、私が本当にその事件の始まりに気づいていたのは、もっと前。入学式の2日後のことだったけど。


そう、あの時。石田さんが、千津を睨んでいた時。あれがきっと始まりだ。


私は長年……失礼。小学校のころから、ずっとクラスメート達の動向を観察してきた。その主な対象は、女子。


まぁ、当たり前のことですがね。女子が男子を見続けるなんて……かなり難しいし。 (好きとか勘違いされたら困るもの。)


……えっと。そうそう、あの時の石田さんの目を見ていてね、これはヤバいと思ったの。


それは何故か?


ああいう目をしていた人が、周りに危害を加えるの、散々見てきたから。


え?助けるわけないじゃない。別に友達でもなかったし。単なるクラスメートだったから。


私がやっていたのは、黙ってこちらに危害を加えてこないか見ていただけね。


……冷たい?女子同士なんてそんなもンよ。そう。大変なの、女子社会は。


まぁ、そんな訳で……石田さんの行動が気になって、観察してたら……今からちょうど、3日前の放課後に聞いちゃったの。彼女とそのお仲間が話していた内容を。


「……だよねぇ~。」


「そうそう、あの七瀬って子よりも石田の方がかわいいよ。」


「なのにさぁ~?」


「自治委員なんかに立候補しちゃってさ。」


「何様よねぇ。」


「「そうそう。」」


「本当、ないわぁ~。」


「「ねぇ~。」」


「あの子最近、篠塚君たちと一緒に居るのよ?一緒の部活だからってことぐらいで。」


「媚び売ってるよねぇ~。」


「ぶりっこじゃん。」


「あれ、絶対自分の方がかわいいって思ってるよね~?」


「勘違いしすぎだよねぇ~。」


「そういえば、あの妹もムカつくよね。」


「篠塚君のこと……なんだっけ?」


「えっと……セイセイ?」


「そうそう、セイセイとか呼んじゃってさ。」


「馴れ馴れしいよね。篠塚君が嫌がっているのわからないのかな。」


「佐藤さん?あの子、七瀬達のあの性格知ってて一緒に居るのかな?」


「さぁ?佐藤さんも部活が同じなんだってね。あ、もしかしたら、あの子も篠塚君目当てかもよ?」


「いや、鳴宮君や、白井君の可能性の方が高いんじゃない?」


「あ、そうかも。」


「あれ、石田?黙りっぱなしで、どうかした?」


「……ねぇ、みんな。協力してくれない?」


「何に?」


「七瀬千津を陥れようと思って。」


「いいよ。楽しそうだしね。協力する。」


「私も。ねぇ、どんなことするの?」


「篠塚君にバレたら元も子もないから、1日に絞って周りにはバレないようにやるつもり。」


「それで?」


「決行は体育大会。」


「なるほど。」


「それでね……。」


その後、どんな話をしていたかはわからなかった。声が外に漏れないようにしていたから。


そういう所は、用心深いのね。私が聞いていたのには気づかなかったくせに。


結局、私が聞けたのはそれだけ。


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