13 実は…(と、言うほどのことでもないけれど。)
「起立。気をつけ、礼。」
「「さようなら。」」
号令が終わると、いつものように、菜穂と千津がこちらへ来た。
「ユウリィ!今日も遠回りするからさ、一緒に帰ろ!!」
「あ、ごめん。今日は…」
「今日は、オレが一緒に帰るから。寄っていくところがあるんだ。」
私が言い訳するよりも速く、優壱が答えた。
「えー。いつもは6人で帰ってるでしょ?みんなで帰ればいいじゃない!」
「別にいいだろ?お前らは、星と翔馬と帰れば?なぁ。」
優壱が、2人に助けを求めた。
「別に僕はかまわないけど。どうせなら家まで送っていこうか?いいよな、翔馬。」
「うん。」
「本当に!?菜穂、せっかくだから…さ。」
千津の顔がだんだん赤くなってきていた。やっぱり千津は、星くんのことを……。
「うん…。分かった。4人でかえろっか。」
ついに、菜穂が折れた。しぶしぶという感じだったけど。
「ごめんね。じゃあ、もう行くからバイバイ。」
「うん、また来週。」
「じゃあな。」
「おう。」
「また。」
菜穂は、すねたように挨拶をしてくれなかった。月曜日には戻っていてくれるといいけど……。
「それで?結局何を悩んでいたんだ?」
学校からでて、しばらくしてから、優壱から聞いてきた。
「簡単に言えば、女の嫉妬は怖いよ事件。」
「……?」
訳が分からないという顔をされてしまった。
「男子が気づいていたかはわからないけど、女子は菜穂と千津を除いた全員が知っている事実。」
「七瀬達を除いた?」
「うん。私がバレないようにしておいたから。」
「それで?」
「女の嫉妬は怖い。」
「簡単に言い過ぎ。」
困ったな、私説明するのニガテなんだよね。
「えっと、石田さんって分かる?」
「あぁ…。いたな、そんな奴。」
「あの子のお父さん、篠塚グループの副社長らしいんだけど……」
「副社長?あぁ。石田のおっちゃんかあの人自身は、気のいい人だぜ。よく働くって星の親父さんが言ってた。」
「じゃあ、お父さんはいい人なんだね。」
「それで?その石田がどうしたって?」
「私、説明するのヘタだからさ。ゆっくりでもいい?」
「あぁ。別に。」
「じゃあ、そこの公園ででも。」
偶々、通学路にあった公園に入り、ブランコへ腰を下ろした。
「実はね……。」




