15 相談しました。(回想終了)
私が話し終わった後も、優壱は黙ったままだった。
5分ぐらい経っただろうか。沈黙に耐えかねて、彼に尋ねた。
「やっぱりわかりにくかった?」
自分でも説明が苦手なのは、わかりきっていたけどそこまでわかりにくかったとは
「え?いや、違くて。」
「じゃあ、何でずっと黙ってるの?」
「事が意外にも深刻だったから。」
「意外にもって……」
心外だ。自分だけで解決できるのなら、とっくにしている。それができそうになかったから、話したのに。
「いや、えっと、ごめん。言葉のあやってやつ。」
申しわけなさそうに言う彼の目は、あくまでも真剣そのものだった。
「策はあるのか?」
「一応。がんばって未然に、いじめを防ぐ。それ以上でも、それ以下でもない。」
「だよな。……提案だけど。」
「何?」
「星に頼んで、石田にガツンと言ってもらえば?」
それができれば、苦労しない。
「それは……簡単には、使っちゃいけない手。だって、私が目指すエンドは……」
「……?」
「千津も菜穂も気づかない内にいじめが終わっているってやつだもん。星くんにバラすのは最終手段。」
「何で?星は、簡単に話しちゃう奴じゃないぜ?知ってるだろ?」
まだ、不思議そうな優壱。
「乙女心のわからない奴ね。自分で考えれば?ちょっと寒くなってきたから、帰ろ。」
「そうだな。」
少し冷たく突き放してから反省した。そういえば、相談に乗ってもらっていたんだと、今更ながら思い出したからだ。
「今日は……ありがと。」
歩きながらだけれど、今できる精一杯の感謝だ。
「いや。大したことしてないし。大事な仲間だもんな。やっぱり、守りたいよな。」
「うん。」
ナカマ。改めて、言われてから思う。私、今までいじめ問題でここまで関わったこと無かったなって。
なんだか、コイツがクラスみんなの中心にたてる理由がわかってきた気がした。
「………すごいね。」
「え?何か言った?」
「ううん。そうだ、体育大会っていつだったっけ?」
「今日が5月4日で、当日は5月18日の土曜日。」
「約二週間後か。がんばろう!」
「おう。」
1人で思い悩むことにならずによかったと、少しばかり感謝した夕暮れだった。




