表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カイルの愉快な冒険  作者: KYO
第一章~風の召喚少年団~
9/49

第二話 「風の召喚少年団」結成6

ウィンドリーフへの道中

馬車がリーフェの里を出発してすぐ、カイルは少し照れくさそうに自分の姿を見下ろした。

母リリアが「絶対に危ないからこれを着なさい!」と無理やり渡した装備だった。

グランターバン(紫色のターバン)とグランマント(紫色のマント)。

見た目はまるでド○ゴンク○スト5の主人公そのもの。

頭にターバンを巻きと旅人の服の上にマントを羽織り、革の靴を履いた姿は、ちょっとした冒険者に見える。

「母さん、やりすぎだよ……」

カイルはマントの端を指でいじりながら小さく呟いたが、内心はちょっと嬉しかった。

大切な勇者の剣(模造剣・ダガー)は、木剣を折ってしまったクレスに貸し出していた。

代わりにカイルが持っているのは、クレスから借りた樫の杖。

召喚士らしい後衛スタイルだ。

馬車の荷台で、カイルはエリオス神官の隣に座っていた。

エリオス(22歳・新任神官)は穏やかな笑顔でカイルの召喚獣を見ながら言った。

「カイルくん、君の魔獣召喚……本当に珍しい祝福だね。

実は『召喚契約』というものがあるんだよ。

今のカイルくんでも、H〈無級〉かG〈初級〉のモンスターなら契約を結べるかもしれない。

契約を結ぶと、召喚した魔獣が増えて、君の意思とより深く繋がるんだ」

カイルの目がキラキラと輝いた。

「えっ、本当ですか!?

ファングやルビィ以外のモンスターと……ぼく、もっと強くなれるんですか!?

どうやったら契約できるんですか!?」

エリオスは優しく笑って説明を始めた。

カイルは夢中になって質問を連発し、エレナも隣でじっと耳を傾けていた。

昼過ぎ、馬車は街道沿いの小さな空き地で停まった。

ロイ・ワゴンが馬を休ませながら言った。

「よし、ここで昼飯にしようか。

みんな、ちょっと休んでくれ」

エリオスとカイルは近くの川に水を汲みに行くことになった。

二人がいなくなった直後——

「キャアアアアッ!?」

大きなネズミの影が茂みから飛び出してきた。

ウェアラット(F〈低級〉)。

腹を空かせた個体で、体長は1メートル近く。

鋭い牙を剥き出しに、荷台の食べ物を狙って突進してくる。

ミラが悲鳴を上げた。

クレスとチェスターは一瞬で動いた。

チェスターが素早く弓を構え、矢を地面に射って注意を引く。

「クレス! 今だ!」

クレスは借りた**勇者の剣(模造剣・ダガー)**を握りしめ、

覇気を一瞬だけ爆発させて飛び込んだ。

「うおおおっ!!」

ザンッ!

一撃目がウェアラットの肩に深々と突き刺さり、

アンコモン級の魔力の輝きが刃を走った。

ウェアラットが大きく怯む。

「これ……すげえ威力だ……!」

クレスは驚きながらも、二撃目を全力で振り下ろした。

ドスッ!

ウェアラットが悲鳴を上げて倒れ、動かなくなった。

ロイ・ワゴンが目を丸くして拍手した。

「すげえな、クレス坊主!

あの剣撃……ただの坊主じゃねえな。

一撃目から大ダメージ出てたぞ! お前、才能あるわ!」

クレスは息を荒げながら剣を見つめ、呆然と呟いた。

「……これが、勇者の剣(模造剣・ダガー)の力……?

カイル、すげえ武器貸してくれてありがとう……

俺、こんなに一撃で倒せたことなかった……」

チェスターが冷静に矢を回収しながら、

「クレス、無茶しすぎ。

でも……確かにあの剣、ただものじゃなかったな」

ミラがホッと胸を撫で下ろし、エレナが小さく拍手した。

水汲りから戻ったカイルとエリオスが、倒れたウェアラットを見て驚いた。

「えっ、もう倒してたの!?」

カイルが目を輝かせると、クレスは照れくさそうに勇者の剣を返した。

「カイル、ありがとな。

この剣……マジで強い。俺、ちゃんと自分の剣を買ったら返すよ」

昼食(干し肉とクッキー)を簡単に済ませ、一行は再び馬車を出発させた。

夕暮れ前、馬車は無事にウィンドリーフの街に到着した。

街の石畳の道、賑やかな市場の喧騒、遠くに見えるギルド支所の看板。

子供たちは目を輝かせながら荷台から降りた。

ロイ・ワゴンと別れ、エリオス神官に連れられて今日泊まる教会へ向かう。

リーフェの里の小さな教会とは比べ物にならない、立派な白い石造りの教会だった。

エリオスが優しく言った。

「今日はみんな疲れただろう。

早めに夜ご飯を食べて、ゆっくり休んでくれ。

明日、街を案内するよ」

子供たちはベッドに倒れ込むように横になり、

ルビィはカイルの枕元で丸くなり、ファングは部屋の隅で番犬のように座っていた。

カイルは天井を見つめながら、小さく呟いた。

「……明日、クレスにいい剣が見つかるといいな。

それに……召喚契約のことも、もっと聞きたい……」

エレナが隣のベッドからそっと手を伸ばし、カイルの指に触れた。

「……カイルお兄ちゃん、今日もお疲れ様……」

教会の鐘が静かに鳴り、

ウィンドリーフの街の夜がゆっくりと更けていった。

カイル・ランチェスター


12歳・男性・ランチェスター家四男


職業:村の子供 魔獣召喚士


祝福:魔獣召喚(異能)、魔獣召喚士(職業)、MP補正(能力)


召喚:〈G級〉ファング(ハウンドドック)、〈D級〉ルビィ(カーバンクル)


装備:


樫の杖 (クレスから借りてる)


(勇者の剣(模造剣・ダガー) アンコモン級 クレスに貸出中)


おなべのフタ(即席盾)


グランターバン (紫色のターバン)


グランマント (紫色のマント)


旅人の服(父のお古)


革の靴(兄のお下がり)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ