第五話 攻略!ダンジョンを突破せよ!15
第五層 ~連携する影~
第四層を突破した風の召喚少年団は、階段状の通路を下り、第五層へと足を踏み入れた。
空気がさらに重く、湿気を帯び、壁に生えた紫色の苔が淡く光っていた。
足元には古い骨や、明らかに最近戦闘があった痕跡が残っている。
クレスがシルバー・ストライクを構え、低く言った。
「第五層……ここから本番だ。
みんな、気を引き締めろ」
チェスターが矢を番えながら、周囲を素早く観察した。
「足跡が増えている。
F級モンスターだが……数が多い。連携を取る個体も出てきそうだ」
カイルは三召の首飾りを握り、ファング・ルビィ・スカーレットを3体同時召喚したまま、
少し息を整えた。
「MPはまだ持つけど……長丁場は厳しいかも。
スカーレットで常に前方索敵するよ」
アネットはバックラーを構え、メイスを握り直した。
「私は前寄りで回復をします。
みんな、絶対に無茶はしないでください」
エレナは風鈴を軽く鳴らし、風の祝福を広げた。
「……私も、みんなの動きを支えるね」
第五層に入って間もなく、敵影が次々と現れた。
フォレストウルフとウェアラット、ゴブリンシャーマンが混在した群れだった。
F級モンスターだが、数が増え、互いに連携を取る動きが見られた。
クレスが前衛で突っ込んだ。
「来い! 俺が抑える!」
シルバー・ストライクが銀色に輝き、1匹のウェアラットを斬り裂くが、
すぐ横からフォレストウルフが飛びかかり、クレスを押し返す。
「ぐっ……連携がいい……!」
チェスターが素早く矢を放ち、
「右から2匹! カイル、援護を!」
カイルはファングを前へ出し、ルビィで回復を撒きながら、
「スカーレット、上空から急所を!」
しかし、敵の数は予想以上だった。
倒しても倒しても、次から次へと現れる。
アネットがバックラーで身を守りながらメイスを振り、
「神聖魔法・小回復! クレスくん、持ちこたえて!」
エレナの風の刃が敵の動きを乱すが、
シャーマンが詠唱を始め、小さな火球が飛んでくる。
クレスが歯を食いしばった。
「くそ……数が多い!
でも、ここで退くわけにはいかない!」
苦戦しながらも、一行は必死に前へ進んだ。
通路の途中で、壁に埋もれるように宝箱を発見した。
チェスターが慎重に罠を確認し、開けた。
中から出てきたのは——
高品質中型弓(アンコモン級)
魔法矢(電撃属性) 3本
チェスターの目がわずかに輝いた。
「これは……俺にぴったりだ。
電撃矢なら、群れ相手に効果的だな」
即座に装備を交換し、チェスターの弓が強化された。
クレスが笑いながら言った。
「いい引きだ! これで少しは楽になるぞ!」
さらに進み、苦戦を続けながらも、
一行はついにボス部屋の入り口に到着した。
重厚な石の扉が、静かに一行を待ち受けていた。
クレスが息を整え、皆を見回した。
「……ここがボス部屋だ。
みんな、準備はいいか?」
カイルは3体同時召喚を維持したまま、
少し疲れた顔で頷いた。
「うん……MPはまだ持つ。
みんな、絶対に無事で……」
アネットが聖印を握りしめ、
エレナが風鈴を強く握った。
チェスターが弓を引き、静かに言った。
「いつでも行ける」
風の召喚少年団は、
第五層のボス部屋の前に立ち、
自分たちの限界に挑む最後の扉を開けようとしていた。




